第186回 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか/中島聡

なぜあなたの仕事は終わらないのか
皆様こんにちは。

タスキー税理士法人の鈴木です。
本日ご紹介させていただく今読みたい本は「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」です。
スムーズに仕事を進めていくための糸口を見つけることができればと思い、本書を手に取ってみました。

この本の著者、中島聡さんは元マイクロソフト社の社員で冒頭での自己紹介の際に、「ドラッグ&ドロップ」を世界に普及させ、「右クリック」の概念を現在の形にした、と記しています。普段パソコンを操作している中で当たり前にしている動作に、この著者が携わっているとはとても驚きでした。

この本で印象的なのが、1章の「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」の1番初めで書かれている、『「終わらない仕事」は、こうなっている』の中で、筆者の部下だった人の仕事の進め方について書かれていたところです。

金曜日に一週間後が期限の新規の仕事を任され、かつ月曜日期限の仕事を抱えているという状態から話はスタートいたします。月曜日期限の仕事を金曜中に終わらせるところまでは良かったのですが、月曜日を迎えた時に、締め切りまで5日あるから多分終わるはずだと、新規の仕事は一旦脇に置いて、メールの返信や長期で抱えている仕事を進めることにしたそうです。そして水曜日、期限まであと2日となった段階で、スケジュールを考えていたのに、頭の中でやるのと実際にやるのとは違い、「これじゃ終わらないかもしれない…」と予感し、他の仕事を放棄して期限まであと2日の仕事に本格的に取り組むようにします。木曜日の締め切り前日の夜中、メールの返信やほかの緊急の打ち合わせで時間を取られたため、ついに徹夜で仕事をしなければならなくなりました。そして金曜日、上司から「例の件、終わった?」と尋ねられ、「すみません、ほかの仕事もありまして、徹夜もしたのですが…もう1日だけいただけないでしょうか」という返答をするという結末で、その後の顛末はみなさんの想像にお任せしますという表現で締めくくられております。
この部下の方の特徴がこの後にも記されているのですが、自分の状況と重なるところがあり、共感するとともに自分の仕事の進め方を改めなければいけないなと考えさせられました。

この仕事の進め方を「ラストスパート志向」と筆者は呼んでおり、諸悪の根源としております。一番の欠点として、最後の最後までそのタスクの本当の難易度がわからない点を挙げています。だからラストスパート志向で仕事に取り組むと、仕事の後半に予想外のアクシデントが発生して、完了までの時間が延び、他の人に迷惑をかけてしまう可能性が出てくることにつながると筆者は述べています。

仕事を数学のテストで例えていたのが分かりやすかったのです。
前半は基本問題で、勉強していれば誰でも時間をかけずに解くことができるが、後半は応用問題で難しい問題や特殊な論点が出題され時間がかかってしまうという構成になっているという例えです。
ラストスパート志向の場合、その基本問題だけでスケジュールを考えてしまうため、応用問題に差し掛かった時に想定外の時間がかかり締め切りに間に合わないという事態が発生してしまいます。

そしてこの「ラストスパート志向」と対をなすように、筆者が実践しているのが「ロケットスタート時間術」というもので、以下の4点に集約されると筆者は述べています。
・すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す。
・最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には仕事の8割を終える。
・最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、納期を延ばしてもらう。
・「仮眠を取る」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる。

筆者の場合エンジニアの仕事のため、考え方を丸々真似て行動するということは難しいですが、本書を読んだことでラストスパート志向になっている自身の仕事の進め方を改めねばと、考えさせられる機会となりました。

タスキー税理士法人
鈴木克成

参照:なぜ、あなたの仕事は終わらないのか/中島聡
鈴木 克成

鈴木 克成

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