第125回 東京百景/又吉直樹

こんにちは!佐藤美友です。

肌寒さが増し、街行く人々の服装も樹々の彩のように変わっていき、いよいよ秋の雰囲気も深まってまいりました。
秋の夜長のお供に、こんな1冊はいかがでしょうか?
 
 
『東京百景』 著・又吉直樹
 
 
数年前に単行本として刊行された同書を加筆修正し、文庫化されたこちらの本。
『劇場』の映画化も記憶に新しい、ピースの又吉さんが書いたエッセイ集です。
彼が見た、彼の生活に付随した風景が、やさしい文章で綴られています。

私は東京を知りません。知っているのは表面だけ。
少し前に(ブレていて判別不能な)写真を撮った東京タワーまでの道のりは曖昧どころか覚えていないし、街を通る路線図を想像することもできません。
だからこそこうした本に出会えた時、身に染みついた風景としての街並みを知ることができたような気分になり、嬉しくなります。
彼が言う東京の「気まぐれな優しさ」に、とても魅力を感じてしまうのです。

するすると邪魔することなく流れ込んでくる言葉に、人柄を感じられるのがエッセイのいいところだなあ、といつも思います。
物語の主人公になりきるわけでも、第三者の視点から描くわけでもない。
小説を読んでいるときとも違う、“この人”が見ている景色を新しい表現で知っていく喜びを、心地よく感じているような気がします。
 
 
読書の秋、テーマがはっきりしている本ももちろん学びになりますが、遠回りの時間を過ごしてみてもいいのかもしれません。
エッセイ集、おすすめです。
 
 
タスキー税理士法人
佐藤 美友
 
 
参照:東京百景/又吉直樹

佐藤 美友

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