第222回 スマホ脳/アンデシュ・ハンセン

今回紹介する本はアンデス・ハンセン著「スマホ脳」です。

こちらの本はスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセンさんの著書で、世界中で大ヒットを記録した本です。スマホの操作方法は知っていても、スマホとの付き合い方は誰からも学んだことがなかったなと思い、この本を選びました。

本書では、スマホが脳に与える影響を科学的な視点から分析し、具体的な対策法を紹介しています。

人間の脳は何か報酬が得られるかも?と期待した時に多くのドーパミンが分泌されて快感を感じるそうです。これは我々の先祖が食糧にありつくのに有利になるよう進化した結果だといいます。人類はその歴史の約99.9%の時間を狩猟採集をして過ごし、デジタル機器が登場したのはわずか0.1%足らずの時間です。我々の脳は狩猟採集時代に最適化されたまま、つまりデジタル社会には適応していないと筆者は言い切ります。
そして、SNSやスマホゲームはこの性質をうまく煽り、依存しやすい仕組みに設計されているそうです。
著者はスマホを「ドーパミンの罠」と形容しています。例えばSNSの投稿を誰かが見てくれたかも?リアクションがあったかも?といったように、期待を感じるポイントが至る所にちりばめられています。通知が鳴り、「ちょっとだけ見よう」が連続し、その結果、我々の時間は吸い取られ、集中力はどんどん低下していくのだそうです。筆者はこれを脳の報酬中枢がハックされた状態だと述べます。さらに、SNSをよく利用する人は、そうでない人に比べて劣等感や孤独感を感じやすい、といった研究結果も報告されているそうです。快感⇒夢中になる⇒メンタルに悪影響を及ぼすなんて、まるでドラッグのようですね。
ITの先駆者たちはこの危険性を認識していて、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツは子供がデジタル機器を触る時間を厳しく管理していたそうです。

筆者はこうしたスマホの呪縛から逃れる方法を大きく2つ紹介しています。
① 運動をしてよく眠ること
運動することでもドーパミンが放出され、さらにストレスや不安にも効果が期待できるそうです。心拍数を上げる「運動」をすることがポイントで、必ずしも「スポーツ」や「トレーニング」である必要はないそうです。
② スマホの使用時間に制限を設けること
通知をオフにする、スクリーンを白黒にするといった方法や、目覚まし時計を使用するなど、スマホじゃなくてもいい機能はスマホにさせない工夫、スマホから距離をとる方法が紹介されています。

かなりざっくりとした紹介でしたが、他にもADHD、睡眠障害、心の不調、インフルエンサー、子供の学力、といったトピックが挙げられています。気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。スマホだけでなく、現代社会を生きるヒントが得られると思います。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

タスキー株式会社 大学 佳太朗

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