皆さまこんにちは!タスキー株式会社の工藤でございます。
立夏を過ぎ、陽射しの中にも夏の気配が感じられるこのごろ。皆様いかがお過ごしでしょうか。
温かい日に加えて頻繁に暑さを思わせる日が増えてきましたが、体調を整えて元気に過ごしてまいりましょう!
今回ご紹介するのは「鋼のメンタルを手に入れる~ゴリラ式メンタルトレーニング」という本です。
本の題名の「鋼のメンタル」という言葉から、「メンタルが強い」ということを連想されますが、この本で言う鋼のメンタルとは、「心の自己回復力の高い精神状態のこと」であり、折れない強さとしなやかな柔軟性を兼ね備えた精神状態が保てる人こそ、本当の意味での「鋼のメンタル」を持った人と解説されております。
本書では、メタ認知(自分自身を客観的に見る能力)とレジリエンス(心の自己回復力)を身につけることで、鋼のメンタルを手に入れる考え方が書かれております。
なぜゴリラ?と思うかしれませんが、著者の精神科医であるいっちー氏(一林大基氏)は、「人間としての主観を捨て、ゴリラ目線(本能的な行動)の獲得により、自己を客観視=つまりはメタ認知して、自分が真に欲していることに気が付ける」と提唱しています。
本書は4章構成になっており、メタ認知の2つの動き(メタ認知的知識・メタ認知的活動)の説明と、メタ認知力のトレーニング(セルフモニタリングとコントロール)及びレジリエンス(心の自己回復力)についてわかりやすく説明されています。
近年ビジネスにおいてもメタ認知(力)は重要な力の一つとして注目されていると言われております。
メタ認知力の高い人の特徴として、例えば会社の業績が徐々に下降している場合、「売上が下がってきたのでどうやって上げよう?」ではなく、「なぜ売り上げが下がったのか」から考え、更に掘り下げて考えることで
・「製品やサービスに問題があるのか?」
・「営業活動に問題があるのか?」
・「マーケットに問題があるのでは?」
などと多岐にわたって課題を想定し、様々な打ち手を考えることが出来るようです。
一方、メタ認知力が低い人の特徴としては、同じケースの場合に「売上が下がったけどなぜ下がったかわからない」ので「とりあえず訪問件数や行動を増やせば売上が上がるだろう」と場当たりで行動してしまい、短期的には業績が回復したとしても売上が下がった根本的な原因の解決には至らず、同じ状況に陥る可能性が高いようです。
上記はあくまで一例ですが、メタ認知力を上げることで様々な効果が期待できる反面、あまり考えすぎるのも逆効果となるため、何も考えない時間を設けたり、辛い時には誰かにヘルプを出すなどしてレジリエンス(心の自己回復力)を養っておくのも重要だと思います。
メタ認知はトレーニングすることで誰でも高めることが出来るので、日常においても、ふとした瞬間に自分の「今の状況」「思考」「気分」「行動」「体の反応」を客観的に見たり、物事についても「それはなぜ起きたか?起こるべくして起きたこと?(悪いことの場合)回避できたのではないか?」というように、「なぜ?」を考えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した本は、これからメタ認知について知りたい方の入門書としてお勧めの本ですので、興味を持たれた方は是非読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!
タスキー株式会社
業務改善支援室 工藤俊介