第321回 「良い質問」をする技術/粟津 恭一郎

皆さまこんにちは!タスキー株式会社の工藤でございます。

今回ご紹介するのは、「良い質問」をする技術という本です。
この本の著者である粟津恭一郎氏は、主に大企業経営者に対して「質問」をする仕事(エグゼクティブコーチ)で活躍されている方です。著者曰く、エグゼクティブ・コーチングを行ってきた経営者たちには、成功者と呼ばれる人ほど自分や他人に良い質問を投げかける高度な「質問力」を備えているという大きな共通点があるそうです。また、良い質問には、問われた人に新たな気づきを与え、その人に新たな思考や行動を引き起こす力があるとのことです。

では実際に良い質問をするにはどうするか。今回はこの本で紹介されている「良い質問をするコツ」として、特に印象的に残った4点をご紹介させて頂きます。

①言葉以外のメッセージをやりとりする
「良い質問」をするためには、相手の話を「聞く」ことが大切です。質問相手に対して、心から関心を寄せて真摯に話を聞く態度と行動を「アクティブ・リスニング」と呼び、相手の言葉や感情、態度に注意を払い、フィードバックを伝えることが重要だと述べています。声のトーンや表情など「言葉以外のメッセージ」に注意を払うことが効果的であり、また、質問する自分の表情や姿勢にも気を付ける必要があります。著者の経験によると、相手の斜め前に座り、1メートルの距離を保つのが最適だとされています。

②質問は流れに合わせてその場で考える
「良い質問」をする際には、その場の流れに合わせて質問を考えることが基本です。事前の準備は重要ですが、セッションが始まったら、リストよりもその場の展開を重視すべきです。「良い答え」は「良い質問」から生まれるため、その場の状況に合わせた質問を心がけることが重要です。

③いろいろな質問をその場で考える方法
質問をその場で考える際には、5W1Hを活用することが有効です。例えば、「売上の数字が重要」と言う社長には、「いつからそう思うようになったか」「売上を決めるキーパーソンは誰か」など、5W1Hに沿った質問を投げかけると良い結果が得られます。また、1つの視点を掘り下げて連続して質問することも効果的です。

④質問はしても、アドバイスはしない
著者は原則として、質問はしてもアドバイスはしないようにしているそうです。なぜならアドバイスは一時的には役立つかもしれませんが、再現性が低く、成長につながりにくいためです。一方、質問によって自ら気づきを得た場合は大きな成長が期待できるため、状況に応じてアドバイスと質問を使い分けることが重要だとしています。
・アドバイスを受け入れて実行したとしても、それはあくまで「受け身」である。
・「良い質問」は、良いアドバイスよりも「一生もの」になりやすい。

仕事や日常生活の会話は、大半が「質問」と「回答」によって成り立っています。
良い質問を日常的に投げかけられる質問力を備えることで、会話が上手くなり、人を動かし、能力ややる気を引き出せるようになると思います。そのための最初のトレーニングとして、普段の会話の中で良い質問をどれだけ周りに投げかけられているか?を考えてみてはいかがでしょうか。
本書には今回ご紹介した「良い質問をするコツ」の他に、質問の重要性や良い質問の作り方などが詳しく書かれているため、興味のある方はぜひお手に取ってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました!


タスキー株式会社
業務改善支援室 工藤俊介

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