こんにちは。青谷麻容子です。
今回ご紹介させていただくのは、既にご存じない方はいないくらい話題となり、発売から4か月で100万部を突破したマガジンハウス出版の『君たちはどう生きるか』です。
この本は80年も前に、岩波書店の雑誌『世界』の初代編集長である吉野源三郎氏によって書かれたものです。当時日本は治安維持法下にあり、吉野氏は同法によって逮捕投獄され、執行猶予で釈放された時にこの本を書きました。監視下にあったため、児童書の体裁を借りて世に訴えたのが同書だったそうです。 それが今こんなにも売れているのは、今の日本社会の重苦しい雰囲気が当時とどこか重なる部分があるからかもしれません。
さて、舞台は1937年の東京。
主人公は中学生「コペル君」とその叔父さん。
世の中や生きる意味について次第に自らの頭で考え始めたコペル君を、叔父さんが導いていくというのが主なストーリーです。
心に響く沢山の言葉がありますが、その中でいくつかご紹介させて頂きます。
「沢山の書物を読み、偉人たちの思想を学ぶことも大切だが、最後の鍵は、やはり自分自身なのだ。自分自身が生きてみて、そこで感じた様々な思いをもとにして、初めてそういう偉人たちの言葉の真実も理解することができる。そこで肝心なのは、自分が本当に感じたことや、心をうごかされたことから出発してその意味をごまかさずに考えていくこと。そうすると、ある時、ある所で、ある感動を受けたという、ただ一度の経験のなかに、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる。それが、本当の自分の思想となるのだ。」
「人間の一生のうちに出会う一つ一つの出来事が、みんな一回限りのもので、二度と繰り返すことはないのだということも、だから、その時、その時に、自分の中のきれいな心をしっかり生かしてゆかなければならないのだ。」
「僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから誤りを犯すこともある。しかし、僕たちは、自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。」
そして、吉野源三郎氏は本の最後にこう問います。
「そこで、皆さんにおたずねしたいと思います。」
「君たちは、どう生きるか。」
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
サクセスエール税理士法人 公認会計士 青谷麻容子