著者は、人事を通じて数十人から500人規模に会社を成長させた経験を基に、独自の人事評価制度を開発し、「あしたのチーム」という会社を設立した高橋恭介氏です。
これまでの人事評価の常識を覆すような内容が詰まっています。人が辞めなくなった!利益が大きく増えた!採用力が上がった!生産性が上がった!と1000社以上で成果を出した法則が載っています。
最近、弊社でもお客様から評価制度構築のご依頼が増えています。すでに、評価制度があるものの十分に機能していなかったり、評価基準があいまいで何となく評価しているため社員が不満を持ちやすいなど、明確な評価基準をもっていないことで人が辞めてしまうという現象が起きているからです。
評価基準は、形式的に「あればそれでいい」というものではなく、社員に正当な評価を下すことで成長を促し、優秀な社員については定着率を上げるものにする必要があります。
本書は、社員に「正しい人事評価」することにより、結果として、採用力、定着力、育成力が一気に上がるということを、数々の実例を交え、紹介しています。
なぜ、正しい人事評価をすると採用力、定着力、育成力が上がるのか。どうすれば正しい人事評価を下せるのか。
評価制度を通じて社風や仕事の進め方にも変化が出て、その結果、採用力が上がったり、社員も会社も双方に納得のいく評価ができるようになったことで、社員の定着率が上がり、さらに社員の能力向上に結びつくからと著者は述べています。
世の中の多くの人事評価は、単に、「評価のための評価」で終わっているのが現状です。しかし、本当に必要な評価制度は、それが社員の成長に結びつくものでなければなりません。
社員が成長するための評価制度を構築し、経営者も、働く人も、幸せになる会社にしていくために、大変勉強になる一冊です。
サクセスエール税理士法人 公認会計士 青谷麻容子