こんにちは!
サクセスエール税理士法人の色川大輔です。
早速ですが、皆さんはM&Aに対して、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
ハゲタカ、乗っ取り、身売りなど、ネガティブな印象をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
一方で、企業の新規事業展開の選択肢の1つ、事業承継の選択肢の1つとして、ポジティブな印象をお持ちの方もいらっしゃると思います。
それでは、これを買い手、売り手の視点から見た場合はどうでしょうか。
買い手のM&Aには、新規事業展開等のポジティブなイメージを持つ一方、売り手のM&Aには身売り等のネガティブな印象を持つ方も多いのではないでしょうか
今回は、売り手側がM&Aを成長戦略として活用するという、M&Aの新しい潮流を描いた『どこと組むかを考える 成長戦略型M&A』という書籍を紹介させて頂きます。
私は、最初に本書の「成長戦略型M&A」というタイトルを見た時、“買い手側が成長を目指すM&A”について書かれた書籍だと思っていました。
しかし、本書では、「会社を売却することによって、自社を成長させることができる」とし、売り手側にとってもM&Aが成長戦略となることを説明するとともに、実際の事例を数多く紹介しています。
筆者が主張する売り手側のM&Aを成長戦略とする考え方のポイントは、 “会社を売る”と考えるのではなく、“成長するためにどこと組むか”の手段として捉えることにあります。
中小・中堅企業が自社で保有する経営資源には限りがあります。
しかし、例えば販売網であったり、豊富な資金であったりと言った、自社にない経営資源を有する買い手に株式を売却することができれば、買い手先の経営資源を活用し、自社を大きく成長させていくことができます。
実際、弊社に現在ご相談頂いている案件も、経営資源が不足している状況を脱するために会社の売却を検討している方が増えてきており、まさに成長戦略型M&Aの時代になってきていると実感しています。
経営資源の不足が、成長の壁の要因だと感じている経営者の皆様にとっては、売り手側のM&Aは、成長戦略の1つとして有効な手段になりうる可能性があります。
買い手・売り手共に、M&Aありきとなるのは良くないと思いますが、成長戦略の手段の1つとして、M&Aを選択肢に加えないことは、事業展開の可能性を狭めるものだと思います。
実務を行っていく中で、M&Aにはまだまだ抵抗感を感じている経営者の方も多いように感じています。
しかし、M&Aは事業承継の観点からも、成長戦略の観点からも、非常に有力な手段の1つです。
これを誤ったイメージで事業戦略から除外してしまうのはあまりに勿体ないと思います。
M&Aへの誤解を解消するような活動を、今後どんどん進めていければと思います。
サクセスエール税理士法人 公認会計士・中小企業診断士 色川大輔