1999年に創業し、19年間で時価総額45兆円の巨大企業アリババ(阿里巴巴)をつくった男、ジャック・マー(馬雲)はいう。
アリババを創業して19年間、毎日、毎日、いつも「俺は正しいことをしているのだろうか」と、自分に問い続けました。
人から好かれようが、嫌われようが、これぞと思ったことにコミットするべきです。
座右の銘は、「永久不放棄」
絶対に諦めない。
そのジャック・マーは、中国14億人をアップデートし、中国をハイテク国家に変貌させている。
どんなに優れた人物なんだと誰もが思いたいが、自身では落ちこぼれの悪童だったという。
得意なのは独学でマスターした英語だけ。
それがインターネットに出会わせ、「巨人」アリババをつくった。
1.NOT「中国版アマゾン」
アリババによって、中国では、オンライン販売とオフライン販売の境界線は消えつつあるという。
世界で最もネット通販が進んだこの国で、コンビニから生鮮スーパー、百貨店まで続々と買収してデジタル化している。
2.現金の消滅
現金不要のモバイル決済「アリペイ」。
小さな個人店の決済のほとんどを占める。
そして、個人店であれば手数料ゼロだという。
現金消滅の次・・・。
アリペイが提供する「アントマイクロローン」
掲げるのは「3・1・0」の世界。
3分間で融資の申込み。
1秒以内にはモバイル送金によって着金。
すべては人工知能が判断し人間の介在は「ゼロ」。
中国全土では今、合計で730万人を超える個人事業主たちがアントマイクロローンによって融資を受けている。
その融資総額は、約1兆1000億円(2018年3月時点)にのぼる。
銀行に行かなくても大丈夫。
スマフォゲームのように指一本で、365日24時間、融資が受けられる。
3.オンデマンド物流
24時間、365日、好きな時に、出前サービスを 30分以内で届けてくれる。
究極のお使いアプリ「ウーラマ」。
4.ニューリテール(新しい小売り)
まもなく、イーコマースという言葉は消える。
デジタル空間で生まれたイーコマースを、アリババはネットとリアルな世界と完全融合させる。
中国のモバイル決済の市場規模は1792兆円(2017年)。
屋台でもでもスマフォによる決済。
QRコードの決済にとどまらず、顔認証による決済まで進展している。
さらに店舗と物流が融合し、モノと人の流れが変貌している。
5.C2B(Consumer to Business)
「5分間で2000枚の衣服を作ることより、5分間で2000種類の衣服を作ることが重要な時代になる」
「製造業」で巨大なアップデートが起きると宣言する。
これまではメーカーがまず商品を作り、それを消費者に届けてきた。
しかし、これからは消費者が欲しいものから逆算して、製造業や生産ラインはデザインされる。
ものづくりの構成要素の分解と統合。
そして、データの分析と活用。
ジャック・マーの参謀はいう。
「データに耳を傾ければ、データはおのずと知見を物語ってくれる。」