本書は、一昨年前ご逝去された知の巨人、渡部昇一先生が次の時代を担っていく我々に遺した遺言書だったのだと、私は思います。
渡部先生は命の灯火が消えそうになる中で、私達にこう語りかけます。
「私も人生の中で大いに苦しみ悩んだが、振り返ればその時々に師と仰いだ先人たちの教えに何度も救われたのである。志をもった人、今、壁を前に佇んでいる人が本書を手に取り、私の”説教”が少しでも前に進むお役に立つのであれば、この上ない光栄である。」
「知の巨人」「稀代の碩学」「現代の賢人」と評される渡部先生が到達した、苦難を乗り越えるための思考法が、様々なシーンごとに63記されています。
脆弱な自分に気づいたとき 、壁を前に佇んだとき 、壁を乗り越えるための思考法 、世の中とズレを感じたとき 、重要な判断をしなくてはいけないとき、幸運を呼ぶ思考法 。
どの章も、若者は勿論、中高年にとっても人生の羅針盤となる教えで溢れています。
生きている限り、そばに置いて何度も読み返したくなる、勇気をもらえる一冊です。
サクセスエール税理士法人 公認会計士 青谷麻容子