小笠原(おがさわら)です!
本日ご紹介する本は“会計天国”です。
本書の構成としては、主人公の会計コンサルタントが、このままだと倒産しそうになる5人を救う物語となっており、なぜ今経営が危機に陥っているかということを財務諸表から読み解き、改善策を見出していくというものです。
本書は会計について学べるのはもちろんですが、本が苦手の方でも読みやすくなっております。
本書で出てくる5人にはそれぞれテーマがあり、
① 黒字なのに厳しい経営(貸借対照表の読み方)
② 安売りに走った経営者
③ 粉飾決算
④ 部門利益の管理(売上の求め方)
⑤ 多角化戦略(事業の展開方法)
まったく別のテーマのように見えますが、今まで数字が苦手だったという方も読み進めていくと言葉が自然と理解できていき、言葉をシャワーのように受け取ることが出来るため、数字に対して一定の理解を得られる本だと思います。
特に私は、④部門利益の管理、⑤多角化戦略が琴線に触れた部分であります。
④ 部門利益の管理
売上のみで社員や部門を評価している企業は注意が必要です。
やはり企業の目的は利益を出すこと。売上を創るためならばどんなことをしても良いという考え方になると、費用をかけて顧客を創造した結果、売上はあるが利益は出ていないという事も起こり得る。ないしは起こっていることが考えられます。
⑤ 多角化戦略
コロナウイルスに影響を受ける昨今。当然、多種多様な業界で影響があります。
だからこそ、多角化による売上獲得方法の分散や既存事業による、売上・利益獲得の
偏重はなくした方が良いと考えています。
しかし、それには段階があるのではないかと考えさせられます。
▶既存事業の拡大はできているか?取り組んでいるのか?
▶川上(製造自社化など)川下(販売の自社化など)は抑えられているか?
この時勢の中で、細かに数値を見る機会が増えた方も多いはずです。
今まではざっくり見ていた数値も、どこを削るのか、何に注力するのか、より詳細に考えることが必要になりました。今までとは変化をつけた経営のあり方を模索していきたいものです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
タスキー税理士法人 小笠原康