初めまして!新入社員の門傳康久(もんでん やすひさ)と申します。
本日は『菜根譚(さいこんたん)』をご紹介いたします。
菜根譚は論語や孫子の兵法に比べるとマイナーな存在かと思いますが、どのような立場の方にもお役に立つであろう、生活の知恵が書かれた書物です。
作者は洪自誠(こう じせい)という明の時代の人物です。
毎回読むたびに「なるほど」や「それはいいな」と感心させられることが多く、この本で書かれていることが実践できたらどんなに素敵な毎日が送れるだろうかと想いを巡らせます。
例えば「心が公明正大であれば、たとえ暗い部屋の中にいても、青空を見上げるようにさわやかな気分になる。逆に、暗愚な考えを抱いていると、たとえ白昼のもとでも悪魔の心が生じてくる」と説かれています。
どのような環境に身を置いていても、自分の状況を良いと思うか悪いと思うかは、最終的には自分の見方次第で決まってくるということなのだろうと、この一節を読んで思いました。
毎日過ごしていると、どうしても受け入れがたいことや納得のいかないことに直面することがあると思います。
それによる影響が100%自分にとってマイナスなのか?なにかプラスに働くことはないのか?と探すことからはじまり、一つでも自分に良いと思えることがあれば、前向きに捉えることが大事だ、と作者に諭された気分にもなりました。
菜根譚が書かれた明代末期は政治が乱れ民衆が苦しんでいるという状況だったそうです。そのような時世に生きる人々へのエールのような想いがあって、菜根譚は誕生したのではないかと私は思います。
いつの時代でも私たち人間は何かに悩み苦しんでいます。現在のコロナ禍も当てはまるでしょう。困難に直面していても、その環境を活かして乗り切っていく。そういう気概が必要なんだと、洪自誠は菜根譚の中であらゆることを話題にし、読者へ訴えているとも思います。
なかなか、思うように実践できない点は多々ありますが、それでも菜根譚の生活を胸に刻んでこれからの生活や仕事に打ち込んでいきたいと改めて思いました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
タスキー税理士法人
門傳康久
参照:菜根譚/湯浅邦弘