税理士法人小笠原です。
今回ご紹介する本は「最軽量のマネジメント」です。
情報公開をすることが最軽量のマネジメントだとする本書。
ではなぜその結論に至るのかということを、マネージャーの仕事について向き合ってきた著者がサイボウス株式会社の実例をもとに綴っています。
・離職率28%⇒4%になったということですが、そのカギはどのようなものであったのか
・全ての会社に当てはまるとは限らないがこれから経験するかもしれない内容
として話は進んでいきます。
実経験が元なので、端的に入り込みやすい内容です。
本書の流れは下記のように進みます。
サイボウズが上手くいかなかったときにマネージャーが行ったこと、それは社員との雑談の時間を取ることでした。
よくわからないという情報不足によるもやもやを、従業員の話を聞くことで解消しようというものですが、雑談の時間を取るとさらに時間がとられそうですよね。著者は、雑談で情報整理をすることこそがマネージャーの時間を削減することにつながるとしています。
この雑談を行うことによって得られた経験が、社員に対して情報を公開することの大切さにつながってきます。
そこでさらに、上司が聞かれたことに対して責任を持って説明するだけではなく、メンバーには質問責任を持たせたそうです。
質問責任…誰でも質問できる環境に。
質問されて答えられない上司は、さらに上司へ質問する。本書で良く使われる公明正大という言葉のように、質問と説明を闊達に行う風土へ持って行ったわけです。情報公開の徹底ということをサイボウズさんは行われているわけですが、企業の大小にかかわらずできることであり、質問したら否定される、怒られるといった状況を無くす策を入れながら推し進めたそうです。
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雑談や質問責任というと最初は従業員が固くなってしまうかもしれません。しかし、浸透していくとマネージャーから説明する機会をつくらなくとも、不安に感じていること不明瞭なことが何かという情報が集まってくるかと思いました。それがタイトルの最軽量のマネジメント(情報公開)につながってくるのですね。
マネージャーは板挟みの存在であり、上司の意図をくみ取り部下を納得させる。
様々な実用書で語られる完璧なマネージャー像。そこを当たり前として目指すのではなく、無理と感じる問題点を明らかにして、背負ってきた重荷を置くところから始めてみようというのが本書の核でしょうか。無理だと感じることには必ず問題がある。それを明らかにすることでマネージャーの仕事を減らそうという内容となっています。
諦めることで残された仕事が本来のマネージャーがやること。
思考してみて何が残されてくるのか、実践の参考にしてみてはいかがでしょうか。
タスキー税理士法人
小笠原康
参照:最軽量のマネジメント/山田理