こんにちは!佐藤美友です。
世間は夏真っ盛り、暑さに負けないための努力の必要性を感じる今日この頃。皆様体調など崩されていませんか?水分補給をしっかりと、どうかご自愛くださいませ。
さて、今回ご紹介するのはこちらの一冊です。
『相手の身になる練習』 著・鎌田實
数々の功績を持つ医師である鎌田氏は、現在は1億円の寄付金を集め、介護施設に医師や看護師、予防資料などを送ってコロナによる介護崩壊を防ぐ活動をされています。非常時だからこそ我慢をすべきと抑圧され、我慢をせずに過ごしている人間を糾弾する。お互いの気持ちの余裕のなさがさらに生きづらさを生み出している現代において、大切にすべきこととは何でしょうか。
7月末より、日本では予定通りオリンピックが開催されました。開催に賛否両論はありましたが、アスリートの皆さんの人生をかけた勝負を見ていると、やはり心が動かされます。同時に、悲しいニュースも目にするようになりました。選手へのSNSでの誹謗中傷が相次いでいるというものです。機械を通そうと相手は人間で、心があり、徐に傷つけていいものではないと、理解できていない人間が多すぎるように思います。
筆者は、言葉はコミュニケーション全体のたった7%であり、残りの93%は声の調子・顔の表情・視線・しぐさ・態度といった言葉以外のものであると述べています。SNSでのコミュニケーションのほとんどは言葉に偏るもの。相手が見えないと言葉は凶暴になりがちで、対面時よりも相手のことを考えられていません。自分にとっては一方的な独り言、なんとなしに呟いた不満や悪口、それでも相手には届いているのです。
相手の立場になって考え、どのように感じ、どのように考えるか、相手と自分の共通点や違う点を見つけていくことが「相手の身になる」ことであると筆者は述べていますが、まさにその通りです。「相手の身になる」力は人と接することで身に着いていくものであり、小さい子供ですら我慢を強いられている今の世の中では、その機会を与えることはなかなか難しいかもしれません。人と自由に接し、普通の時間を過ごしてきた大人たちが、子供たちに教えられることは何か、自分の行動を見つめなおしながら考えていました。
一方、「相手の身になる」とは似て非なる言葉で「相手の顔色をうかがう」というものがあります。自分がどう思われているのかということに重点が置かれるので、やりたくないこともやってしまい自分の中に不満を抱えやすく、顔色をうかがうだけでは結局は自分の行動に責任を持てなくなってしまうとのこと。その違いを理解するためにも、この本の第5章を静かな場所でぜひ、じっくりと読んでいただきたいです。
今の行動、言動は、本当に相手の身になっているのか?
このような状況下だからこそ立ち止まって考えてほしい、そう強く思います。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
タスキー税理士法人
佐藤 美友
参照:相手の身になる練習/鎌田實