第171回 トヨタの会議は30分/山本 大平

こんにちは!佐藤美友です。
羽織る着物が少しずつ厚くなり、秋の訪れを感じる気候になりましたね。
今回ご紹介させていただくのはこちらの一冊です。

『トヨタの会議は30分』 著・山本 大平

先週に引き続きトヨタに関する本ですが、やはり大手優良企業というだけあってそのノウハウを記した本は数えきれません。(またトヨタ?などと思わずにお付き合いいただけますと幸いです。)

本書はトヨタにおけるコミュニケーション術が書かれた本なのですが、最近は企業の採用要件に「一定のコミュニケーション能力を有していること」と書かれていることも珍しくありません。
それでは、成長している勝ち組企業が求めているのは、どのようなコミュニケーション能力だと思いますか?
筆者曰く、「ギガ速で成果を出すためのコミュ力(コミュニケーション能力)」だそうです。
では、この能力とは具体的にどのようなものでしょうか。

① 時短に役立つ仕事術
(会議、打合せなど)
② 確実に相手を射抜く・しとめるコミュニケーション術
(資料作成、プレゼン、メールなど)
③ 本質思考
(効率的な仕事の前提となる心構え、スピリットなど)
④ 後進に伝える力・教育力
(OJT、学ぶ心構えなど)
⑤ 良好な人間関係の構築能力
(コンフリクト・マネジメントなど)
⑥ 人としてのあり方
(人間力、生き方、ポリシーなど)

①から⑤が能力を構築し、⑥がそれらを包み込む、というのが全体像です。
一方的に話しているだけ、メモを取りながら聞いているだけ、状況を共有したはいいものの何も決まらず前進しない…会議に関する課題はあれど、慣習で続いていて変えるきっかけが無く今に至る。
そんな企業も少なくないかと思います。
渦中にいすぎると当たり前になって鈍くなってしまいますから、そういった現状に課題を感じるのは、社歴の浅い方の方が多いことでしょう。
読み進めていくうちに、会議に費やす時間は妥当だろうか、と自然と自問自答させられます。

無駄を切り捨てつつも、人間として大切な部分は忘れない。
昔ながらの「頑固おやじ」気質なノウハウは、今の世の中の気風から少し外れて、逆に新鮮味を感じました。
古臭く感じる文化もありますが、これからのビジネスを担っていく若い方々にぜひとも読んでいただきたい一冊です。
停滞している日本経済を救うのは、うわべだけの流れるようなコミュニケーションではなくて、短くとも濃密なぶつかり合いなのかもしれません。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

タスキー税理士法人
佐藤 美友

参照 『トヨタの会議は30分』/山本 大平

佐藤 美友

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