『会社のお金はどこへ消えた?』 こんにちは。 タスキー税理士法人の青谷麻容子です。 早くも1月も終盤に差し掛かり、もう1年の12分の1が終わろうとしています。 今年は寒くなると予測されていましたが、予測通り、ここ仙台も例年より寒い日が続いております。皆様の地域はいかがでしょうか。 さて、今回ご紹介する本は、税理士の児玉尚彦先生が書かれた「会社のお金はどこへ消えた?」という、いささかセンセーショナルな題名の本です。 この言葉は、我々も経営者の方からよく投げかけられます。 「利益は出てるけど、こんなにお金は残ってないが、どこに行っちゃったんだ?」 「頑張って働いているのに、全然会社にお金が残ってないよ。」 それは、会社のお金が消える以下の5つのトリックがあるからだと、述べられています。 ①裏に隠れる ②穴から漏れる ③姿を変える ④区別できない ⑤順序が逆 どういうことかは本書をお読みいただければと思いますが、どれも基本的なことなのです。 それなのに、なぜこのトリックに引っかかってしまうかというと、これらのトリックが同時に重なって起こるからです。 よって、「会社のお金はどこへ消えた?」とならないようにするには、まず、この5つのトリックを認識し、トリックに気づくためのチェック方法を身に付ける必要があります。 税理士である著者は、このような会社のお金の悩みを解決するために、1,000人以上の社長に会い、お金を減らさずに経営する知恵を教えてもらったそうです。そのノウハウの数々をこの本で惜しみなく公開しています。 また著者は、銀行融資の審査委員の経験から1,000社以上の決算書を分析して、勝ち残る会社と消えていく会社の違いを、「キャッシュバランス・フロー」という新しい図を使ってひと目でわかるようにしています。 左右の傾きでお金のバランスを表しながら、お金の流れを矢印で示したキャッシュバランス・フロー図は、とても分かりやすいです。 本の構成は、会社のお金の流れに焦点をあてて、会社経営を考える上で、欠かすことのできない次の7つの切り口で説明されているので、今、自社が悩んでいる部分から読み始めるのもよいかもしれません。 (会社のお金に重要な影響を与える7要素) 「売上」:売上が増減するとき、お金の動きのどこをチェックすればいいのか 「費用」:経費をコントロールしてお金を節約するときに有効な手段は何か 「資産」:バランスシートを動かすと、お金の流れがどのように変化するのか 「借金」:事業を拡大していく過程で、借金をどのように活用していくのがいいのか 「税金」:税金を払いすぎないようにするにはどうすればいいのか 「決算」:決算書をどのようにいじると、お金が集まるようになるのか 「成長」:会社のライフサイクルのなかで、どうやってお金を残していけばいいのか 経営者にとって、常に付きまとう”お金”という問題に対して、どのように対処、準備したらいいかが見えてくる一冊です。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。 タスキー税理士法人 公認会計士 青谷麻容子 参照:会社のお金はどこへ消えた?/児玉 尚彦