第193回 仕事の教科書~きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた~/北野唯我

仕事の教科書
こんにちは。
タスキー税理士法人の青谷麻容子です。

4月ですね。仙台市内でもリクルートスーツに身を包んだ新入社員の姿が目立ちます。
緊張と期待とが入り混じったあの初々しさは、新入社員時代にしか出せません(遠い目)。
そんな夢と希望に満ち溢れた彼らの未来に心からエールを送ります。

今回ご紹介する本は、最速・最短で「仕事ができる人」になりたい新入社員から、働き方をアップデートしたいベテランまで使える、北野唯我氏の『仕事の教科書~きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた』です。

著者の北野唯我氏は、就職氷河期に博報堂へ入社。ボストンコンサルティンググループを経て、2016年、ワンキャリアに参画。現在取締役として人事領域・戦略領域・広報クリエイティブ領域を統括しながら、『転職の思考法』『天才を殺す凡人』などのベストセラー作家としても活躍されています。

その北野氏が今までのキャリアを通して培った全ての仕事術を一切出し惜しみすることなくまとめたのが本書です。

本書の構成は以下のようになっています。
CHAPTER1 「仕事が遅い人」と呼ばれないためのスピードアップ術
CHAPTER2 「わかりづらい」から脱却するための文章化術
CHAPTER3 相手から「Yes」を引き出すための提案術
CHAPTER4 健康と成長を両立させるためのセルフコントロール術

どの章も、すぐに取り入れたい仕事術が満載でしたが、そのうちのほんの一部をご紹介させていただきます。

例えば、CHAPTER2では、まず「分かりやすさ」をつくる技術として、目的ファーストの法則、動詞の法則、短文の法則を教えて下さっています。
目的ファーストの法則とは、文章の冒頭で、①目的、②所要時間の2つを伝えること。

まず、①目的について、具体的には
(A)相談(=整理してほしいこと)
(B)共有(=知っておいてほしいこと)
(C)意思決定(=何かを決めてもらうこと)のどれなのかを、まず伝えてから文書をスタートすること。

そして、②では、時間がもっとも貴重な経営資源であるため、事前に所要時間を伝えることで、時間を取ることに納得してもらうことが必要だと仰ってます。

次に、動詞の法則とは、すべての文章に必ず動詞を入れることです。
例えば、「組織改編ミーティングについて」より、「組織改編の進捗共有&ご相談」として、共有、相談という動詞を入れることで、読み手は結論がすぐに理解できます。

短文の法則とは、とにかく文章を短く切ること。一文は40文字以内、できれば20文字以内に意地でも抑えよ。とあります。
確かに、長い文章は、ゴールが見えず、どこへ連れていかれるのか最後まで分からない不安感があります。

究極的に美しい文章とは「文字数に対する、情報量の割合が高い文章」とありますが、激しく同感するとともに、目指すところです。

このように、本書では、北野氏が10年かけて膨大な時間とお金を使って獲得してきた仕事術が公開されていますが、その真意を以下のように語っており、思わず胸が熱くなりました。

「ビジネスとは精神的な活動だけでなく、むしろフィジカルな作業の連続」です。物騒な言い方になってしまうけれど、ある側面だけ切り取れば、「決闘」に近い。甘い考えだけでは生き残れないシチュエーションも必ず出てくる。ビジネスは身を削るような戦いなのです。
だから、私はこの本を通じて、「泣きたくなるほど大変なビジネスの世界でも、どうにかして希望を持ち続けながら働く技術」をあなたに伝えたいのです。

この春、是非、手に取っていただきたい一冊です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


タスキー税理士法人 
公認会計士 青谷麻容子


参照:仕事の教科書~きびしい世界を生き抜く自分のつくりかた~/北野唯我
青谷 麻容子

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