こんにちは。タスキー税理士法人の青谷麻容子です。
桜の花が美しく咲き誇る季節となりました。
各地の桜満開の映像を見ると、日本に生まれてよかったなあと感じます。
さて、今回ご紹介する本は、『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』（青春出版社）です。
著者である管理栄養士の金津里佳さんは、「食事は治療」との信念から、一生続く食事という行為を根本治療と捉え、日々の栄養カウンセリングに臨んでいらっしゃいます。
たんぱく質がいかに大事かについては、以前、今読みたい本（「第187回メガビタミン健康法/藤川徳美」）でもご紹介しました。
最近は、「たんぱく質が大切」という考え方が浸透し、意識して肉を多めに食べたり、健康のためにプロテインでたんぱく質を補う人も増えています。
しかし、著者はこの風潮に危機感を抱いています。
もちろん、たんぱく質が大切であることに変わりはないのですが、ただ食べればいいわけではないからです。
重要なのは、たんぱく質を“食べる”量ではなく、“消化吸収できる”量です。
現代人は、たんぱく質を消化吸収できる量が少ないために、いくら摂取してもたんぱく質不足になっている人が多いそうです。
では、たんぱく質が不足していると、どのような症状が現れるのでしょうか？
例えば、焼肉を食べた翌日の便が緩くなった場合、たんぱく質不足の可能性大です。
これは、肉などのたんぱく質を消化するために必要な消化酵素と胆汁酸が足りていない証拠。そして、この消化酵素と胆汁酸の原料となるのが、そもそもたんぱく質なのです。
つまり、たんぱく質を消化吸収するには、体内に十分なたんぱく質が必要であり、そうでない人が無理にたんぱく質を食べても、ちゃんと消化吸収できずにお腹の調子を崩してしまうことになるのです。
他にも、アブラっぽいものは苦手という人も、胃がもたれるのは胆汁酸が少ないからで、たんぱく質不足が原因であることがほとんどだそうです。
また、基本的にいつもお腹の状態が良くない人、常にお腹が張っていたり、しょっちゅうおならが出たりする人もたんぱく質不足の可能性大です。
これらの原因は消化酵素や胆汁酸の不足にとどまらず、もっと根本的な大きな問題―リーキーガット症候群である可能性がとても高いそうです。直訳すると“漏れている腸”。小腸の上皮粘膜が炎症により粗い網目のように緩んでしまっている状態です。
こうなると、たんぱく質の吸収が途端に悪くなるので、いくら食べてもたんぱく質不足を解消することが難しくなります。
リーキーガットは腸壁のバリアが破綻し、本来備わっている防御システムが上手く機能しないため、アレルギーになったり、病気にかかりやすくなり、食欲も暴走するそうです。
このリーキーガットの原因となるのが、小麦に含まれるグルテンと牛乳に含まれるカゼインと、小麦や砂糖などの糖質が大好きなカンジタ菌、過度のアルコールと言われています。
たんぱく質不足は身体だけでなく、メンタルにも大きな影響を与えます。
なぜなら、意欲や集中力、学習や記憶と深く関わっているドーパミンをはじめとした神経伝達物質やホルモンの原料がたんぱく質だからです。
“幸せホルモン”とも呼ばれ、心の安定に欠かせないセロトニン、睡眠をつかさどるメラトニン、興奮を抑えて気持ちをリラックスさせるGABAなどが、たんぱく質不足により分泌量が減ると、気分が憂鬱になったり、気力がわかなかったり、寝付けない、眠りが浅いなどの不調を引き起こします。
そこで、まずは、たんぱく質の吸収を阻害しているリーキーガットを治すために、著者は「超粘膜ケア」をすすめています。
腸粘膜に炎症を起こすものを身体に入れない。つまり、リーキーガットの最大の原因と考えられる、グルテンを含んでいる小麦と、カゼインを含んでいる乳製品を食べないことです。
ポイントは「2週間、完全に断つ」ことです。少しくらいなら食べてもいいだろうとか、少しずつ減らしていこうとか考えると、中毒から抜けるのにさらに時間がかかり、我慢する苦しさが長くなるだけだそうです。
甘いものを沢山食べていた人は、腸内でカンジタ菌のエサになってしまう甘い物も控えるようにしてください。
私も何度もトライしましたが、これがなかなか難しい。身の回りがいかに小麦製品であふれているか、そして既にその中毒性の強さを痛感しております。
新学期、新年度の始まりの季節。
たんぱく質を摂る前に、まずは腸粘膜のケアから始めてみようと思います。
皆様もどうぞ健やかにお過ごしください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
タスキー税理士法人 公認会計士 青谷麻容子
