はじめまして。タスキー株式会社の飯野と申します。
今回の今読みたい本の紹介を担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回ご紹介する本は『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』です!
この本を読んだきっかけは、前職で自分の仕事の進め方に悩んでいる時でした。
私は新しい拠点を立ち上げる仕事に携わっており、その仕事は0から1を作り出すことが多く、今までの仕事の進め方とは異なる考えがたくさんありました。
どうやって進めるのが自分や組織にとって良いのだろうと悩んでいた所、担当していた新規事業創出プログラムの講師の先生から「飯野くんの悩みにぴったり!」とお勧めしていただいたのが、この本です。
当時この本を読んで自分の仕事の進め方がハッキリし、救われた気持ちになったことを覚えています。
ここから少し本の内容を紹介します!
●「エフェクチュエーション」とは?
皆さまは「エフェクチュエーション」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
私はこの本を読むまで全く聞いたことがありませんでした。
この本では、「エフェクチュエーション」について、下記のように説明されています。
・経験豊富な起業家を対象とした意思決定の実験から発見された思考の様式である。
・「目的」ではなく、手持ちの「手段」から生み出せる効果を重視するものである。
・「予測」ではなく「コントロール」によって対処していく。
・予測や計画を重視するコーゼーション(因果論)が通用しない、不確実性の高い状況でも有効である。
・特別な天才の思考法ではなく、どんな人でも学習して身につけられるものである!
例えば、子供のころ初めて自転車に乗れた時の状況を思い出してみてください。
まずは自転車の乗り方について調べて、最大限にリスクを減らして、その後に初めて自転車に乗って、失敗したら他の事例を研究して・・・
と進めてきた人は少ないのではないでしょうか?
とりあえず乗ってみようと練習を始め、試行錯誤し上達した方が多いと思います。
「エフェクチュエーション」とは、初めて自転車に乗る時のように出来るかどうかわからないこと(不確実性の高い問題)に対して、実践をしながら進めていく思考方法です。
つまり、動きながら考えるということですね!
●「エフェクチュエーション」の5つの原則
さらに「エフェクチュエーション」について解説していきます。
「エフェクチュエーション」は、下記5つの原則があります。
1. 手中の鳥の原則
目的主導ではなく、既存の「手段主導」で何か新しいものを作る。
➡手持ちの手段(資源)を活用して、具体的な行動のアイディアを生み出すこと。
2. 許容可能な損失の原則
期待利益の最大化ではなく、損失(マイナス面)が許容可能かに基づいてコミットする。
➡自分が許容できる損失や失敗の中で小さくても行動に移すこと。動かないことが機会損失である。
3. レモネードの原則
予期せぬ事態を避けるのではなく、むしろ偶然をテコとして活用する。
➡望ましくない事態が起こった時に、それを新たな活動の資源に活用すること。
4.クレイジーキルトの原則
コミットする意思を持つすべての関与先と交渉し、パートナーシップを築く
➡パートナーとの出会いを通じて、新しいビジョンと資源に出会い、最終的に思ってもみなかった成果が生まれること。
5. 飛行機の中のパイロットの原則
コントロール可能な活動に集中し、予測ではなくコントロールによって望ましい結果に帰結させる。
➡何か不測の事態が発生した場合でも、コントロールによって対処すること。
この1~5の原則をぐるぐると回していくことが「エフェクチュエーション」のサイクルとなります。
●「コーゼーション」と「エフェクチュエーション」の使い分け
「コーゼーション」とは、目的に対して最適な手段を追求する手法であり、今日のビジネス実践において広く浸透している手法です。
筆者はVUCA時代ともいわれる不確実性の高い現代において、状況によって使い分けていくことが大切になると記載しています。
本の中では、料理を作る時の例が出されています。
「コーゼーション」は、最初に料理を食べる人の好みを考えてメニューを決め、一番おいしいレシピを考えて、必要な材料を調達しながら料理をすること。
「エフェクチュエーション」は、普段の料理の仕方と同じように、冷蔵庫の中にある材料を確認して、必要があれば買い出しに行き、なければあるものを使って自分の得意な美味しい料理をすること。
どちらも美味しい料理を作るための方法ですが、状況によって使い分けていきますよね。
なるほど・・・と納得して読んでいました。
以上、内容の紹介でした!
本のタイトルに「起業家が実践する」と書いてあるので、起業家を目指す方が対象となる本に見えますが、私たちのように企業に属している人にも活用できる考え方です。
例えば、仕事以外にも趣味で新たな趣味にチャレンジしてみる!やり方はわからないけど、とりあえずやってみる!
そういった行動も「エフェクチュエーション」の思考方法です。
この本には、他にも「エフェクチュエーション」を活用して上手くいった事例や、具体的に「エフェクチュエーション」のサイクルを回していく手法が書いてあります。
とりあえずやってみる!も間違いではないと気付かせてくれる素敵な本です。
失敗することを考えて進むことが出来ない方や、これから新しく何か始めるための一歩を踏み出す勇気が欲しい方ぜひ読んでみてください!
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
今後ともどうぞよろしくお願いします!
タスキー株式会社
飯野 祐司