こんにちは!タスキー税理士法人の髙本です。
今回ご紹介させていただく本は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』です。
タイトルからは難しそうな印象を受けたのですが、実際は「問題」とその解説、そしてイラストが大部分を占めるとても読みやすい本です。
不確定要素や変化の多い現代に必要な能力として、「考える力」が注目を集めています。
著者の野村裕之氏は論理的思考問題を解くことで「考える力」を鍛えることができると述べています。この「考える力」を更に次の5つの能力に分類しています。
1. 論理的思考
事実や情報を冷静に見抜き、順序や法則を整理して、矛盾のない適切な判断をする力。
2. 批判思考
前提となる情報、直感に対して疑問を持って考え、本質を見抜く力。
3. 水平思考
既成概念や常識、先入観、過去の事例などにとらわれることなく、フラットな視点で自由に発想する力。
4. 俯瞰思考
現状の視野や、細部にとらわれることなく、視座を高めて物事をとらえる力。
5. 多面的思考
物事に対して、ひとつの視点からではなく、複数の立場や角度など、あらゆる側面から考える力。
この本では5つの能力ごとに著者が古今東西から集めた問題が紹介されています。問題を解くことで「考え方の型」を学び、似たような問題や状況においても、その型を使った思考へ応用できるようになることを目指したそうです。
意外と高い難易度の問題をこなせる分野もあれば、難易度が低いとされる★1つの問題でも苦戦してしまったりで、自分の思考の偏りを感じるところがありました。解けた問題の分野はなぜ解けたのかと振り返ったら、過去に出会ったことがある問題だったりと、以前に「ちゃんと考えた」結果、思考回路が構築されているように感じました。漠然と何かを考えるのではなく具体的に問題に取り組むことで、「考えるクセ」をつけ論理的な思考回路が鍛えられます。
また『「問題が複雑である」という感情や思い込みが、「論理」を脇に追いやり、問題を複雑にしてしまう』と述べられる点は、思い当たる出来事があり、とても納得してしまいました。私がこじらせていた問題を上司が別の角度からあっさり解決したことを目の当たりにしたことがあり、よりシンプルに物事をとらえるためにも、「考える力」をより鍛えたいと思いました。
最後に表紙と裏表紙に書かれている問題を取り上げます。
1. 社員4人で作業して4日で4つ生産できる商品がある。この商品を100日で100個つくるには最低何人の社員が必要だろう?
2. ある学者がテントを立てていると、熊があらわれた。パニックになった学者は、南へ10㎞、東へ10㎞、北へ10㎞走ったところ、テントに戻ってきてしまった。さて、熊の色は?
難しくはなさそうだけど、ちゃんと考えるとあれ?となった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
クイズが好きな小学生の子どもも一緒になって考えたりできたので、コミュニケーションのきっかけにもなりました。
上記の問題の答えが知りたい方や、ちゃんと考える力が足りてないなと感じつつも鍛える方法がわからないといった方にぜひ手に取ってみていただきたいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今年も厳しい暑さが続いておりますが、どうぞお身体ご自愛ください。
タスキー株式会社 髙本かおり