第372回 キーエンス流 性弱説経営 人は善でも悪でもなく弱いものだと考えてみる/高杉 康成

こんにちは!タスキーグループ/まちづくりデザインチーム小笠原です。
今回ご紹介する一冊は、性弱説というワードに惹かれて手に取りました、「キーエンス流 性弱説経営」です。

高収益企業と知られるキーエンス。その強さを支えるのは性弱説にあるのだと、数々の事例を基に解説してくれる内容となっています。

性善説とは、人はみな本来善人であり、「正しく聞けば正しく答えてくれる」「やるべきことをきちんとできる」「物事の道理や常識を分かっているし実践できる」という考え方。

性弱説とは、人間は本来弱いものなので「難しいことや新しいことを積極的に取り入れたがらず、目先の簡単な方法を選んでしまいがち」という捉え方です。

やってくれるだろうと性善説で依頼したものが実行されていない、というのはどの組織でもありがちな例かと思います。
・マニュアルをつくっても動いてくれない
・仕事を頼んでも抜けや漏れが出てしまう
・スケジュールを明示してもその通り進まない
だからといって、性悪説で一から十までトップダウンで管理してしまおうというものではありません。できないかもしれないという視点でアプローチすることが性弱説だということです。

挙げられている例を抜粋すると、
「DXをして顧客情報管理や営業システムを導入すれば、営業担当者はソリューション提案ができるようになるだろう」という性善説でシステム導入を行うのではない。システムを導入したのに成果が出ないことはありがち。
「システムを導入しても、顧客提案する社員に必要な知識や能力が備わっていないかもしれない」という性弱説の視点で仕組みを考える必要があるということです。
・顧客の業界や工程に詳しくなる資料やツールの充実
・自社商品の役立ち事例の作成
・短時間で顧客情報を聞き出すトレーニング
性弱説の視点から仕組みやツールを整えることですね。
人は弱い生き物で楽な方に流されがちだからこそ、戦略やそれを担保する仕組み・ルールをつくることで成果が生まれやすくなります。

性弱説は仕事の難易度が高ければ高いほど必要になってくると著者は言います。
求める成果や仕事の難易度が高いものについて性弱説の考え方を用いる。それは依頼する相手への信頼度ではなく、業務の難易度とどの程度の成果を期待するかによって性善説と性弱説のどちらで依頼するかが変わるということです。

準備をしっかりする、想定を綿密にすることと同じではあると思います。性善説か性弱説か、状況で視点を変えることでより良く進む仕事もあるかもしれませんね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

タスキーグループ/まちづくりデザインチーム
小笠原 康

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小笠原 康

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