第398回 ことばの発達の謎を解く/今井 むつみ

こんにちは!タスキーグループ経理支援チームの上野です。

私はときどき海外旅行に行くのですが、そのたびに強く思うことがあります。 「英語が話せるようになりたい・・・!」 毎回、現地のコミュニケーションは身振り手ぶりがメイン。それはそれで非日常の楽しさがあるのですが、もし日本語と同じようにスムーズに会話ができたら、より旅行が楽しくなるだろうと想像しています。 そのときふと思ったのは、むしろなぜ日本語を自然に話せるのだろうかということです。 誰かに文法を教わったわけでもないのに、いつの間にか身についていた母語。この疑問から、手に取ったのが今回ご紹介する本『ことばの発達の謎を解く(今井むつみ著)』です。 この本は、子どもがどのようにして言葉を習得していくのかを、実験結果を紐解きながら考えられる一冊です。 私たちは、言葉を話し始めた当初、「名詞」から「動詞」へと徐々に語彙を増やし、やがて言葉の「使える範囲(カテゴリー)」を区別して使えるようになっていきます。 この「言葉が指し示す範囲を理解する」という点が、言葉の習得における重要な段階の一つです。 例えば、言葉を話し始めたばかりの頃は、「噛む」と「踏む」を言い間違えてしまうことがあるようです。どちらも「上から力を加えて抑え込む」という共通の意味合いを持っていますが、「歯を使う動作」と「足を使う動作」という、言葉が適用されるべき具体的な範囲(カテゴリー)をまだ正確に理解できていないために、こうした間違いが起こります。 外国語を学ぶという点では、この言葉の指す範囲(カテゴリー)が言語によって異なるというのがポイントです。 日本語では「着る」という一つの言葉で、動作も状態も表せます。しかし、英語では「服を着る動作」を表す“put on”と、「服を着ている状態」を表す“wear”を、状況に応じて使い分けなければなりません。外国語の単語を、母語の単語と1対1の対応で覚えようとすると、このカテゴリーのズレに戸惑ってしまいます。 本書がおすすめしていた外国語学習のコツは、言葉を線ではなく「面」として、つまりその言葉の指す具体的な範囲やニュアンスとして理解しようとすること。そして、母語と外国語との間の、この「言葉のカテゴリーの違い」を楽しむことだといいます。 英語を話せるようになるにはまだまだ時間がかかると思いますが、言語習得のメカニズムを知ることで、英語の学び方も変わってくるかもしれません。 最後までお付き合いいただきありがとうございました! タスキーグループ経理支援チーム 上野鎮
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