第336回 アランの幸福論 エッセンシャル版/アラン (著)、齋藤 慎子 (翻訳)

こんにちは。タスキー税理士法人の青谷麻容子です。

中秋の名月が過ぎ、仙台も朝晩は涼しく、さわやかな秋の訪れを感じております。
皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか。

さて、今回ご紹介する本は、『アランの幸福論』(エッセンシャル版)です。
かなり前の本ですが、表紙の帯の「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ。」という一文に惹かれて手に取りました。

著者のアランは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの哲学者です。なかでも幸福について記した93編をまとめて1928年に出版したのが『幸福論(Propos sur le bonheur)』。「幸福論」と名の付く本は、世の中に多く存在しますが、なかでも世界中で翻訳され古典として読み継がれているのがヒルティ、ラッセル、そしてアランによるもので、世界三大幸福論といわれているそうです。

本書は、93編のプロポからなる原典(英語版)から、とくに印象的で、わたしたちの心に響く170の名言を訳出し、「不安と感情について」「自分自身について」「人生について」「行動について」「人とのかかわりについて」「仕事について」「幸せについて」の7章に分けて再構成したものです。

この中から、印象に残った言葉をいくつかご紹介します。
1章「不安と感情について」の中で、「心配しすぎない」
心身の不調のほとんどは、そもそも自分が心配したり不安に感じたりするから起きる。だから、もっとも確実な対処法は、腹や腰が痛くても、足の指にたこができた程度に心配しないことだ。

2章「自分自身について」の中で、「幸福を演じる」
礼儀正しいふるまいには、私たちの考えに強い影響を与える力がある。優しさ、親切、幸せを演じることは、不機嫌の撃退にかなり効き目があり、腹痛にさえ効く。
また、それに伴う柔らかい物腰やにっこり笑うといったしぐさには、その反対のしぐさ―つまり、激しい怒りや反抗心、悲しみを表すしぐさをする余地を与えない、という利点もある。

3章「人生について」の中で、「自分のことを考えない」
困難なことに全力を尽くしている人は、まったく幸せである。
自分の過去や未来を考えている人が完全に幸せになることはありえない。ものごとの責任を担っているかぎり人は幸せである運命にあり、さもなければ死んでしまう。

4章「行動について」の中で、「すべての道は正しい道である」
人生の極意はまず、自分の通ってきた道や今の仕事内容のことについて、自分一人でああでもないこうでもないと言うのではなく、しっかりやり遂げることにある。
人は自分が既に選択してきたこと、しなかったことに、運命のしるしを見つけたがるが、本質的に悪い運命などなく、自分がそうしたいと思えばどんな運命もよい運命だからである。

「欲しいものは、自らとりにいく」
天の恵みは空から降ってこない。
望んでいることはすべて、人を待っている山と同じである。そこにじっと存在していて、いやでも目に入る。しかし、自らよじ登っていかなければならないのだ。

そのほかにも、
「運命は不変ではない。指をパチンと鳴らした瞬間にも新しい世界が生まれているのだ」
「嘆きも悲しみも、鳥と同じ。ひょいと留まっては、飛びさっていく」
「まず自分がほほえまなくて、誰がほほえむのか」etc.…
沢山の含蓄のある言葉があり、競争社会を生きる私たちにとって、ハッとさせられる言葉ばかりでした。

人間だれしも、幸せになりたいと願って生きていますが、幸せはいくら考えても求めても手に入るものではないのだと思います。
自分の選択に正しいも間違っているもないので、そのことについて思い悩むよりも、とにかく行動すること。
その選択を正しいものにできるか否かは自分の行動と心持ち次第で、そのためには、目の前のことをどんなことがあっても粘り強く、途中で投げ出さずにやり遂げることが大事なのだと改めて感じました。

今回、ご紹介した以外にも、幸せに生きるためのヒントとなる言葉が沢山ありました。
秋の夜長に、お手にとってみてはいかがでしょうか。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

 タスキー税理士法人 公認会計士 青谷麻容子

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