第70回 事業承継の考え方~手段が先か、目的が先か~

専門家のための事業承継入門

こんにちは!
サクセスエール税理士法人の色川大輔です。

今回紹介させて頂くのは、『専門家のための事業承継入門 事例で学ぶ! 事業承継フレームワーク』という書籍です。

私が本書に興味を持ったのは、本書が事業承継に関する手法の説明に重点を置いたものではなく、事業承継の本質をお客様の抱える課題を正しく見つけ、見つけた課題を解決していくこととしている点に共感を持ったからでした。

事業承継は、現経営者が人生をかけて育ててきた事業のタスキをつなぐことと言われます。
人生をかけて育ててきた事業の引継ぎが、単一の課題で終わることはありません。
事業承継は、必ず総合的かつ複合的な課題となります。

このように総合的かつ複合的な課題の場合、個々の問題に個別に対処してしまうと、
短期的な視点での意思決定になりやすかったり、部分最適の意思決定になりやすかったりします。

このような事態にならないためには、手法の選択から進めるのではなく、理想を描き、そこに向けた課題の識別から進めていくことが重要です。

目的が先か、手段が先かという話でもありますが、多数の関係者が関与する事業承継のような時こそ、目的を先に考えて意思決定をしていくことが必要です。

本書では、課題をフレームワークで整理するとともに、事業承継の3つの選択肢それぞれの課題を整理し、その後に解決策を列挙しています。
タイトルに“専門家のため”との記載もありますが、事業承継を検討されている方には、事例形式で読みやすく、考え方も参考になる書籍かと思いますので、事業承継にお悩みの方に対してはご一読をお勧めできる書籍です。

サクセスエール税理士法人 公認会計士・中小企業診断士 色川大輔

参照:専門家のための事業承継入門/事業承継支援研究会

色川 大輔

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