第289回 野心のすすめ/林 真理子

こんちには!
タスキー株式会社の上野です。

今回ご紹介する本は、『野心のすすめ』です。
本書は、著者の林真理子さんが野心をもつことの重要性を語るエッセイです。
林さんは作家だけでなく、日本大学の理事長を務められていたり、テレビ出演などもされていたりするのでご存じの方もいらしゃるかと思います。

早速ですが、皆さんは野心という言葉にどんなイメージがありますか?
辞書で「野心」と調べてみると、「人に馴れ服さず害を及ぼそうとする心」とも出てくるのであまり良い印象を持たない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私自身、言葉自体に暑苦しさが感じられ、また普段耳にする機会も少ないためか少し古い言葉のようにも感じていました。

しかし本書を読んでみると周囲になりふり構わずというような印象はなく、むしろもっと自律した前向きな気持ちのことだと分かります。

「自分が何も努力せずに、誰かが引き上げてくれるなんていうことはありえないのです。 「今のままじゃだめだ。もっと成功したい」と願う野心は、自分が成長していくための原動力となりますが、一方で、その野心に見合った努力が必要になります。 野心が車の「前輪」だとすると、努力は「後輪」です。 前輪と後輪のどちらかだけでは車は進んで行けません。野心と努力、両方のバランスがうまく取れて進んでいるときこそ、健全な野心といえるのです。」

「野村克也さんがかつて「自分は特別な人間だという自信と、自分は普通の人間だという謙虚さ。この二つを同時に持っていたい」とおっしゃっていましたが、謙虚さを持つことも大事だと思います。」

さらに本書の面白さは、著書自身が若い頃に経験した、思いかえせば恥じらいを感じてしまうようなことも紹介されている点です。

頑張っていていた仕事が評価されず、だらだらと働くようになったこと。
働き始めて間もないころ、会ってもいない先輩を呼び捨てにし、クダを巻いていたこと。
不意に同僚の活躍を知らされ、焦りを覚えたこと。

そんな悩み・苦労も含めありのままが綴られているため、
一見精神論のように思えることもスッと入ってきます。
現状に満足せず、大きな野心を持ってチャレンジしていこうを思わせてくれる一冊でした。

最後に特に印象的だった言葉で締めたいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。

「自分の身の程を知ることも大切ですが、ちょっとでもいいから、身の程よりも上を目指してみる。そうして初めて選択肢が増え、人生が上に広がっていくんです。」

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上野鎮

上野鎮

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