第58回 未来の銀行の姿とは

捨てられる銀行

こんにちは!
サクセスエール税理士法人の色川大輔です。

今回の今読みたい本では、数年前に関係者の間で大変話題になった『捨てられる銀行』を紹介させて頂きたいと思います。

本書が話題になった当時、私はまだ前職の監査法人で金融機関監査に携わっていました。
その金融機関監査で、最も重要視されるといっても過言ではないものは、金融機関が行う債務者区分の判定の妥当性です。

経営者の方や経理関係のご担当者であれば、銀行が取引先を、『正常先』、『要注意先』、『破綻懸念先』・・・などとランク付けして融資判断を行っているというお話しは聞いたことがある方も多いと思います。

この債務者区分の判定は、金融庁が定めた金融検査マニュアルに従って、各行ほぼ一律に運用されているものでした。

判定では、一義的には過去の業績の推移、財政状況が最も重視され、将来に向かった経営計画も考慮する場合もあるものの、厳しい要件のもとで検討されていたものでした。

そんな中、森金融庁長官が打ち出した『金融検査マニュアルの廃止』、『事業性評価』等の方針は、当時大変な話題を呼び、同時に本書も大変な人気となりました。

その後まもなく、私は金融機関監査を行う立場から、顧問先企業様の資金調達を支援する立場へと真逆の位置に立つようになりました。
私は、同じく企業を支援する者として、金融機関の方々と共闘していくことを大変楽しみにしていました。

しかし、様々な場面で、各金融機関の方々と話していると、金融機関の皆様もまだまだ対応に悩んでおられるようです。

経営者としっかり話をして、企業や事業のことをしっかり理解して支援する姿勢を持たなければいけない状況は理解しつつも、まだまだ金融検査マニュアルに従った過去の業績に基づいた画一的な判断が基軸になっている方が多いようです。

昨年、金融検査マニュアルも正式に廃止されることが決まり、これから更に金融機関も変わっていくと思います。

企業経営にとって重要な役割を持つ金融機関が今後どのようになっていくのか、ぜひ企業経営者、幹部、経理担当者などの皆様にお手に取って頂きたい1冊です。

サクセスエール税理士法人 公認会計士・中小企業診断士 色川大輔

参照:捨てられる銀行/橋本 卓典

色川 大輔

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