第112回 石田梅岩『都鄙問答』

石田梅岩『都鄙問答』

こんにちは。
タスキー税理士法人の青谷麻容子です。

全国で緊急事態宣言が解除された初の週末は、各地の観光地に人出が戻り始めたものの、一度植え付けられた恐怖心はそう簡単に拭い去れるものではなく、ここ仙台でも、マスク姿に3密を避ける人々の姿が目立ちます。

この数か月の経済活動停止の影響がどれほどのものか、この上、第2波、第3波が来た時にはどうなってしまうのかという不安感が、多くの人の心の中に未だ暗い影を落としている部分もあるように感じます。
とはいえ、不安で立ち止まっている時間はなく、個人も会社もこの大激変期をどのようにして生き残っていくかに知恵を絞り、命懸けで取り組んでいかなければなりません。

さて、今回ご紹介するのは、「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ⑭ 石田梅岩『都鄙問答』」です。
読み方は『とひ』と読みます。『都鄙』は「都会と田舎」「都と地方」という意味です。

『都鄙問答』(4巻)は江戸中期に活躍した“石門心学(せきもんしんがく)の創始者”石田梅岩が、門弟たちや士農工商の枠を超えて、多くの人たちと交わした質疑応答を一冊にまとめた「修養書」です。

『都鄙問答』は松下幸之助氏が座右の書とし、「経営や仕事に行き詰まったら読みなはれ」と他の人にも勧めていたといいます。
また、京セラ創業者の稲盛和夫氏も「石田梅岩が私に与えてくれたものは計り知れない」と述べ、福沢諭吉や渋沢栄一にも大きな影響を与えています。

「人はなぜ祈るのか」「人の性は善か悪か」といった根源的な問いに始まり、商人の道、武士の道、孝の道など、そのやりとりは示唆に富みます。

この中で、著者は以下のように述べています。
『君主が正しい政道をわきまえず、国が治まっていないのに君主を諌めることもできず、ただ禄を食み続けて身を引こうと思いもしないような臣は、これまた大いなる恥である。』

これから企業の生き残りをかけて迅速な経営判断が迫られる中、経営者の誤った意志決定は命取りです。今こそ、経営者の臣となる役員、社員は恐れることなく、何が正しいかを自分の頭で考え、意見し、衆知結集してこの難局を乗り越えていかなければならないと強く思います。

明けない夜はないと信じて、この難局を乗り越えていきましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

タスキー税理士法人 公認会計士 青谷麻容子

参照:石田梅岩『都鄙問答』/石田梅岩

青谷 麻容子

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