第315回 小さな会社の「仕組み化」はなぜやりきれないのか/小川 実

こんにちは。タスキー株式会社/株式会社B-tasの大学です。

さて、本日ご紹介する今読みたい本は、『小さな会社の「仕組み化」はなぜ やりきれないのか』です。
著者の小川実さんはHOPグループ(税理士法人、社労士法人、行政書士法人の3資格で中小企業のかかりつけ医としてサポート行う)の代表税理士です。
本書は、著者が「小さな会社の成長こそが日本を元気にする」という理念のもと、経営の仕組化を支援される中で培った仕組化のための考え方をまとめたものです。

経営の仕組化について書かれた本は無数にありますが、実際、本に書かれた方法を実践して成果をあげられている会社はどれくらいあるでしょうか?システムやコンサルを導入しても、それを自社にフィットする運用ができている会社は少ないのではないでしょうか?

経営のスタイルは大きく、個人の能力の範囲で事業を維持する「エキスパート経営」と組織の力で拡大を目指す「レバレッジ経営」に大別されます。エキスパート型であれば仕組み化の必要性はあまり高くないかもしれません。本書は、レバレッジ経営をしなければいけないのにエキスパート経営をやっている会社がレバレッジ経営へ転換するための考え方、具体的な制度への落とし込み方がメインパートになっています。

さて、経営の仕組化と聞くと、ビジネスモデル、人を動かすための管理やマニュアルを思い浮かべる方が多いかと思います。特に標準化、属人化の脱却、効率化、合理化を推進する管理の仕組みはいかにも即効性がありそうですが、実はいきなりそこに飛びつくことこそが仕組化に頓挫する原因であると著者は述べます。
経営の仕組みは、まず土台に成長の仕組(ビジョン、経営計画、人事評価制度)があり、その上に事業の仕組(ビジネスモデル、商品・サービス)、さらに上位に作業の仕組(管理、効率化、標準化)が位置するピラミッド構造になっています。
土台となる成長の仕組みは、会社がどこへ向かい、どうやって達成し、そして社員が何者になれるかという道筋であり、ここを整えずに上位の仕組みを入れようとしてもうまくはいかないということです。
では成長の仕組みはどうやって作るのか?以下の3点です。
① 会社のビジョンを言語化する
② 中長期経営計画を立て、未来の組織図を作る
③ 人事評価制度、成長考課制度を作る
会社のミッションやビジョンは会社の本質的な価値です。シャープでかっこいいものである必要はなく、とにかく人に伝わることが重要だそうです。
そして、中長期経営計画でビジョンを計画に落とし込みます。将来の組織図には「こんな人がいてほしい」というのと同時に、今いる社員の成長も織り込まれることになります。誰が、何をどれだけやればよいのかが明確になり、これが人事評価制度の材料になるということです。社員は求められる役割が明らかになり、賃金への反映があるとモチベートされます。
この3点は有機的につながっており、著者が「一気通貫でやらないと破綻する」と繰り返し述べられているのが印象的でした。

最後に、社長の仕事は未来を考えることです、という言葉がありました。
中小企業では、ビジョンから制度まで完全に自前で仕組みを作るのは難しいと思います。中長期経営計画にはお金の流れを予測できる税理士、人事評価制度には働く環境の専門家、社労士が頼りになります。
ちなみに、弊社(BPO事業を行う株式会社B-tas)のミッションは経営者が無用なストレスから解放されもっと挑戦できる世界へ!です。管理部門では士業の力を使ってみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。

タスキー株式会社/株式会社B-tas 大学佳太朗

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