第138回 一流を育てる/秋山利輝

一流を育てる

小笠原です。
ご紹介する本は、『一流を育てる』です。

秋山木工という企業の”職人の心得とは何か?”を軸に書かれています。人材育成は企業の考え方、理念や行動指針に通ずる部分もあるなと思いながら読み進めました。企業としてどのような考え方を持っているのか、育成方針はどのようなものか、明確な構築が参考になるのではないかと思います。
 
本書を読んでみると非常に色が強い企業で、読んで驚く方もいるかもしれません。
入社したら男女全員坊主、携帯電話禁止、恋愛禁止などなどの決め事があり、なるほどこういう企業もあるのかと広い視野を持たせてくれます。
 
 
 
秋山木工には、社員の行動指針のようなものが具体的に明示されている『職人心得三十箇条』というものがあります。
 
この職人心得三十箇条では、『〇〇〇できる人は現場に行かせてもらえます。』と書かれており、
挨拶ができる
身だしなみができる
愛想よくできる
意見が言える
感謝ができる
という項目が30。
 
実に当たり前のことが多く書かれているのですが、大切なことは、
▶うちの企業で働く人にはこのような人に育ってほしい
▶こんなことを大切にしてほしい
ということが明確になっている点にあるのではないかと感じます。
 
 
 
企業色の濃淡はあるかもしれません。それでも、企業としての考え方を明確にしておくことは非常に重要なのだと再認識させられました。教てもらう社員も、指導する社員も、経営者も目指すべきところが可視化・共有化できるからです。
理念、成長戦略、育成方針など、『決める』ということが必要ではないかと思います。

人材育成という切り口から、企業としての考え方の明確化について考える機会となった本書でした。
 
 
 
タスキー税理士法人
小笠原 康

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