第192回 数値化の鬼/安藤広大

数値化の鬼
はじめまして。
2月に入社しました、タスキー株式会社の大学と申します。

数字を扱う仕事をするうえで、数字の特性や扱い方について根本的な言及のある本を探していました。
立ち寄った書店で、分かりやすく、しかし甘くなさそうなタイトルに目を引かれこの本を選びました。

私が紹介するのは安藤広大著の「数値化の鬼『仕事ができる人』に共通する、たった一つの思考法」です。
本書は「株式会社識学」という組織コンサルティングの会社を経営する著者が、約2700社への導入経験をもとに、成果を上げる人に共通する仕事の型を紹介する本です。
この「型」はいわゆるPDCAを識学流に拡張したようなもので、非常に応用の幅が広いように感じます。

本編では、「仕事ができる」人の共通点を「物事を数字で考えられる」点だとし、具体的な思考法を以下の5ステップで紹介しています。
①「行動量」を増やす
②「確率」のワナに気を付ける
③「変数」を見つける
④「真の変数」に絞る
⑤「長い期間」から逆算する
どれも非常に参考になる内容でしたが、ここでは特に印象に残った②、③の一部を紹介します。

②では、多くの人が陥りがちな数値化の罠として、誤った割り算の扱い方を紹介しています。
例えば営業職の中堅社員が、契約率など「質」の体裁を保とうとし、分母の行動量を増やそうとしなくなる、といったです。

質にこだわるのは大切だが、「質を上げること」が目的になってしまい肝心の行動量が減ってしまっては本末転倒です。
筆者は、契約件数を増やすのが目的なので、あくまで行動量を保ったまま質を上げるのが正しい順番だと述べています。
若手社員や後輩が増えてきて「失敗する姿を見せたくない」といった感情が芽生えた時など、結果を素直に受け入れられないと、人はこの順番を間違えてしまったり、都合の良い確率に拘ってしまうことがあるようです。
結果はあくまで客観的事実として、見るべき数字を、勇気をもって受け入れることが大切だと述べられています。

また、筆者はこの誤りを「働かないおじさん」への第一歩と表現しています。
誰しもがそう感じるのかもしれませんが、私自身の中に少なからず存在するおじさんの素質に強い危機感を覚えました。

③では、物事は、変えられる部分と変えられない部分に分けられ、変えられる部分の裏側にある、結果に因果を持つ数字(本書では『変数』と呼んでいます)をいち早く見つけ出すことが仕事の成果に直結すると述べられています。
変数を見つけるのには試行錯誤やセンスが必要だが、たしかに型も存在するとのことです(詳しくは購入して読んでみてください…)。

①②③はプレイヤーに向けた内容となっていますが、④⑤は評価制度や経営方針など、マネージャー層の方が読んでも気づきがあるような内容になっています。
是非皆さんもご一読ください。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

タスキー株式会社
大学佳太郎

参照:数値化の鬼/安藤広大
大学佳太朗

大学佳太朗

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