第202回 闇で味わう日本文学/中野純

闇で味わう日本文学
こんにちは、タスキー税理士法人の鈴木でございます。
今回ご紹介させていただく今読みたい本は「闇で味わう日本文学~失われた闇と月を求めて~ 著:中野純」です。

いつもはビジネス書や実用書ばかり読んでいる私ですが、今回はいつもと違ったジャンルとして文芸書を手に取ってみました。
いつもと違ったジャンルを読もうと思った背景には、先週の今読みたい本の感想で、美しい日本語について述べられていたのを見て、自分もビジネス書や実用書だけでなく、そういった日本語に触れる機会を本を通して作りたいと思ったのがきっかけです。
何か新しいことにチャレンジすることで、新しい気付きを得られることもあると考えました。

本書の内容としては、タイトルにもある「闇」を1つのキーワードとして、日本の有名な文学作品の中で、闇にまつわる内容が取り上げられている作品を紹介していくというものです(取り上げられている作品の一部…今昔物語、竹取物語、万葉集、源氏物語等々)
1章~16章までで構成されており、章ごとに文学作品とテーマが変わっていきます。

読み進めていくことで本の内容云々の前に、自分自身が日本文学作品を読み慣れていないことを実感いたしました。章の頭で筆者が抜粋した作品の中の一文を紹介しているのですが、昔の言い回しであったり表現方法が分からず、これは何を伝えようとしている文章なのだろうと、ちんぷんかんぷんになりながら読んでおりました。そして、後の解説で意味を理解するということが多かったです。
文芸書をほとんど読まず、日本文学にも慣れ親しんでこなかったことが、この1冊の本を読んで露になったなと真っ先に感じました。

初耳で面白いなと感じた1つが、かぐや姫の本当のエンディングです。
かぐや姫が月に帰るというところでエンディングを迎えるのが、私も知っている一般的なかぐや姫の終わり方です。
ですがその話には続きがあり、「かぐや姫が月の都に帰る際に、手紙を添えた不死の薬を帝への置き土産にする。だが帝は、天に近い山へ登って、頂上で不死の薬と手紙を一緒に焼くように命じる。」という内容で、筆者曰くかぐや姫がいない世界で長く生きていても意味がないという思いを、煙に乗せて天にいるかぐや姫に届けるということだろうと述べています。

天に近い山というのが、どうやら富士山を指しているそうで、実際に富士山の麓では、かぐや姫は実は富士山の神で、月ではなく富士山頂にある洞穴へ帰っていったと伝承されている地域もあるそうです。

本書を読み終えて感じたことは、気分や思考を変えて普段読まないような本を読むことで、自分自身の新たな発見に繋がり見識も広がるということです。
どうしても普段読み慣れているビジネス書や実用書が読みやすく手に取ってしまいがちですが、たまには違ったジャンルにも挑戦していきたいと思います。
皆様もいつもは読まないようなジャンルの本を読んでみるのはいかがでしょうか。


タスキー税理士法人
鈴木克成


参照:闇で味わう日本文学/中野純
鈴木 克成

鈴木 克成

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