第212回 拝啓 人事部長殿/高木 一史

拝啓人事部長殿
皆さん、こんにちは!
タスキー株式会社 HRソリューション事業部の関村です。

皆さま、どんなお盆を過ごされましたか?
ゆっくりと休んだり、家族と過ごしたり、帰省したり、様々なお盆を過ごされたことと思います。
休み明けは、タスクも多く発生しますが、疲れも出やすいので、体調管理に気を付けて過ごしていきましょう!

さて、今回ご紹介するのは、「拝啓 人事部長殿」です。
この本は、新卒でトヨタ自動車に入社した著者が、入社3年後に転職し、その後、トヨタ自動車の人事部長宛に書いた手紙というストーリーで展開しています。
トヨタ自動車人事部で働く中で、感じた下記2つの閉塞感。それを問題提起しています。
 ・閉塞感①:1人の人間として重視されている感覚の薄さ
 ・閉塞感②:1人では何も変えられないという無力感

さらに、トヨタ自動車の先輩社員が、著者に投げてくれた3つの問いを中心に展開しています。
 ・なぜ、会社の平等は重んじられてきたと思うか?
 ・なぜ、会社の成長が続いてきたのか知っているか?
 ・なぜ、会社の変革は難しいのか理解できているか?

いかがでしょうか?
この著者が抱いた閉塞感、もしかしたら、今の会社で同じような感覚を持っている方も少なくないかもしれません。
そして、先輩社員がぶつけてくれた3つの問いかけに、回答することはできるでしょうか?

この本は、従業員視点と企業視点、そして、日本の雇用制度だけではなく、教育訓練、社会保障制度までに言及しています。
人事に関わらず、働く人全員が知っておいた方がいい内容がたくさん詰まっています。

最近では、日本でもジョブ型という流れが強まっていますが、
雇用契約だけ見るのではなく、教育体制や雇用の流動性、そもそも、新卒採用をどうするのか、この辺の全体を見て、考えていく必要がありますね。
このあたりを、日本経済の歴史を見ながら、非常に分かりやすく解説してます。

また、本の中盤以降では、「サイボウズさんだからできる」という周囲の声に対して、
12の企業にインタビューを行い、人事の10の領域に対して、他社の実践例を紹介しています。
サイボウズさんに寄りすぎない内容は、非常に共感できました。
(非常にボリュームがあるので、ここでは割愛します。気になった方は、ぜひ、本を手に取ってみて下さい。)

最後に、私自身がすごくしっくりきたのは、会社と個人の距離感です。
著者も述べていましたが、日本社会において、個人が会社に依存しすぎている状態だと、私も感じました。

この本の最後には、「会社はなんのためにあるのか」、「個人に求められていることはなにか」、この2つを投げかけています。
コロナウイルスの影響で、多くの企業で働き方が、柔軟になってきましたが、
ただ、制度だけ整えばいいのではなく、個々人にとってのキャリアや働きがい、さらには生き方が問われているように感じます。
会社がこれまでの一斉管理から、多様性を認めると同時に、個人にとっては、どこを目指して、どう実現していくのかが、問われているのではないでしょうか。

自分の将来は、多くの方が不安だと思います。
その中で、何か自分のキャリアや働き方を見直すには、ピッタリの本です。
この本が悩みを解決することはありませんが、考えるきっかけとして、ぜひ、ご活用ください!

今回も、最後までお付き合いいただきありがとうございました!!
引き続き、よろしくお願いいたします!


HRソリューション事業部 
マネージャー 関村学

参照:拝啓 人事部長殿
関村学

関村学

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