第274回 なぜミーティングで決めたことが実行できないのか/矢本 治

皆さん、こんにちは!
HRソリューション事業部の齋藤由貴です!

今回ご紹介するのは矢本治さんの「なぜミーティングで決めたことが実行できないのか 早く確実に成果を出す、すごいやり方」です。

私達は日頃、企業の人事領域の支援を行っていますが、現場を深く理解するため、お客様先の会議やミーティングに同席をさせて頂くケースが多くあります。そこで感じるのは、中小企業の多くは、会議を「うまくやれている」ケースが少なく、むしろ不満が多く出たままやネガティブな雰囲気で終わっているケースが多いことです。(直接、言葉にださずとも、無駄に長い、回数が多い、ただ詰められる、誰のための何の時間?と思うこと・・・ありませんか?)

矢本さんは、みんなで決めたことを実行できないチームが増えていると述べています。
そんなチームの共通点は次のようなものです。
①毎回、同じ人ばかりが話していて、他のメンバーは賛成しかしない
②実行できない理由や、言い訳を話す場面が多く、結局現状維持の仕事ばかりしている
③実行できないのは、個人のモチベーションやタイムマネジメントが原因だと思っている
④決めたことを1、2度実行しただけで、そのままになっていたり、その後の進捗や検証、修正したりする場がない
➄会話に「後で」「空いている時間に」「どこかで」の単語が多い

どうでしょうか。
「あぁ~。うちもだ」と感じる方も、いるのではないでしょうか。

貴重な時間を取るなら、質も・成果も出せる、意味のあるミーティングにしていきたいですよね!本書はそんな方々の参考になると思います!

著者は、もし現状のミーティングのやり方で成果が出ないのであれば、その原因は従業員の能力ではなく「ミーティングの設計」や「社内の考動パターン」に原因があると述べており、成果のでるミーティングの方程式を【成果=アイデア×実行×継続&改善】としています。

これらは掛算なので、考える力(アイデア)が100点でも、実行次第では0になります。アイデアがいまいちのケースもしかり。そして、継続・改善する力が乏しいと、アイデア・実行がよくても成果を出すことはできません。

そのため矢本流のミーティングでは、「基本ミーティング(1~2回/月)」と「軌道修正ミーティング(2~3回/月)」で設計されていることが特徴的です。加えて、「後日の軌道修正(継続&改善)」まで必ずセットになっている点もポイントです。決めっぱなし、やりっぱなしはNGです!

また、決めたことが実行できない原因と対処法を7つの視点で、かつ「個人」と「組織」で分けて考えています。皆さんが共通する課題感はありますか?

【個人】
①未来の時間を甘く見積もる
②脳には変化を嫌う習性がある
③自分の記憶力を過信する
④「考える」「決める」の負荷が大きい
【組織】
⑤提携業務とのせめぎ合いが生じている
⑥決めた内容がフワッとしている
⑦個人的にやりたいことではない

本著は、上記の原因に対して具体的な対処法・・・会議手法は勿論、心理学・コーチング・NLPといった視点から、リーダーがメンバーと協業するために必要なミーティングスキル迄、広く丁寧に説明されています。
ここでは正直、抜粋だけでも情報が溢れてしまうので、私自身が特に印象的で、すぐに取り入れたいと感じたポイントをご紹介します。

・今から72時間ルール
皆さんは、ミーティングで決定したことを「いつ」やると決めていますか?来週のスケジュールが空いているところで等と、つい考えてしまいますよね。しかし時間が経つほど、記憶力・モチベーション・重要性は下がるもの。しかも、突発的な業務が生じて計画通りいかなくなる・・・なんてことも。そのため、最初の行動はタスクを小さくして、遅くて72時間以内に実行しましょう。(未来には必ず時間がある保証はない。すきま時間は永遠にやってこない・・・が「ぐさっと」刺さりました。笑)

・生産性を高めるより、まず「やらないこと」を決める
著者は生産性が上がっても仕事が減ることはない。空いた時間に別の仕事が入ってくる。優先順位を付けるということは、究極「やらないことを決める」ということ。と述べています。
これはとても大事ではないでしょうか?
「新しいことをやる」「数を多くこなす」等、生産性を高めるのも確かに大切ですが、決定・実行したことに対し、見直すことなく惰性で継続している、目的が迷子になっている・・・このようなケースも少なくないと感じます。時間は有限。「やらないことの決定」はどれだけ実行できているでしょうか。

・目的と手段を見誤らない
複数のタスクを実行していると、時に目的と手段を見誤ると述べています。確かに、本来、手段であったはずのタスクをこなしていると、仕事をやった感になりがち。そこに満足して目的を(ゴールは達成しているのか?近づいているのか?)見失いがちだと感じました。
そもそも「どんな状態になっていれば成功なのか数字で具体的に表現することが大切」とあります。ここが明確になっていないと柔軟な軌道修正も、判断や検証も難しいですよね。

いかがでしょうか?
矢本さんは、「良い習慣を当たり前にできるチームとできないチームでは、成果の違いを生みます。メンバーの能力の差だけではありません。むしろ、負荷のかかる教育を特定の人・個人に頼るのではなく、組織文化・集団で人を育てる視点が必要です。」と述べています。
成果のでるミーティングの流れは、問題解決だけでなく人材育成の場にもなります。「これは役に立つ!」ともっとお伝えしたいポイントが多いので、ご紹介できないのが残念です。笑

ミーティングを変えていくにあたり、難しさを感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、矢本さんは「大丈夫、安心してください。みんな最初はできません。」ともおっしゃっています。まずはピンときた、気になった方は是非、本書を読んでみてください!

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

タスキー株式会社
HRソリューション事業部
齋藤 由貴

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齋藤由貴

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