第275回 迷路の外には何がある?/ スペンサー・ジョンソン (著), 門田 美鈴 (翻訳)

皆さんこんにちは。
 今回の本は「迷路の外には何がある?」です。
 こちらの本はベストセラー「チーズはどこへ消えた?」の続編として書かれた本です。「チーズはどこへ消えた?」では、迷路の中で暮らす2人の小人、ホーとヘムが突如食料のチーズが消えた状況で、ホーは新しいチーズを探しに出かけ、ヘムは迷路に留まることを選択、その後ホーは新しいチーズを発見、一方のヘムのその後は誰も知らない・・・といったエンディングでした。本作は迷路に残ったヘムのその後のお話です。実際、前作の読者の感想としてはヘムに自分自身を重ね、現実の世界で何から行動したらよいか迷う、というものが多かったようです。

 あらすじは、はじめヘムはホーに付いて行かなかった後悔や怒り、嘆きで身動きが取れないままですが、ついに飢死を覚悟し新しいチーズを探す旅に出発。旅の中で他の小人と出会ったり、自問自答を繰り返しながら固定化していた考え方を解きほぐし、やがて迷路の外へ出ることに成功、ホーとの再会を果たし物語はハッピーエンドを迎えます。

 自問自答の中でヘムはホーが迷路の壁に残した「従来通りの考え方をしていては新しいチーズは見つからない」というメモを見つけたのをきっかけに、行動の元にある「信念」について考えをめぐらせ始めます。この自問自答でいくつかの名言が登場しました。中でも私には下の3つの言葉が刺さりました。

  • 「あなたの足を引っぱる信念がある あなたを向上させる信念もある」
  • 「私は考えを変えることができる あなたは新しい信念を選ぶことができる」
  • 「あなたと信念はイコールではない」

 人は「事実」を認識し「信念」を持って行動を決めますが、この信念が凝り固まってしまうと先へは進めなくなってしまうという現象は何事にも通ずる物だと感じます。また、信念と人格を切り分けて扱うこともかなり重要な考え方だと思います。他の考え方を認めると自分自身を否定された気になってしまうこともあると思いますが、議論の場などではここが意固地になってしまうと進まなくなってしまうと思います。

 柔軟に、かつ情熱は根底に持ち続けることで人は先へ進むことができるのだと思います。抽象的な話に終始してしまいましたが、改めて現実の世界を見回すとかつてのヘム姿がそこら中に、そして自分の中にもいる気がします。何事も落ち着いて、まずは自分自身の考え方に向き合ってみるところから始めようと思います。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

タスキー株式会社 大学佳太朗

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