第286回 鈴木大拙一日一言/ 横田南嶺 (監修)・ 蓮沼直應 (編集)

こんにちは。タスキー税理士法人の青谷麻容子です。

 10月も後半になり、仙台でも秋晴れが気持ち良い季節となりました。収穫の秋、食欲の秋、そして読書の秋ですね。
 
 さて、今回ご紹介する本は、『鈴木大拙一日一言~人間を深める道』(致知出版社)です。
 
世界に禅の真髄を説き、“人類の教師”とも称された20世紀最大の禅学者・鈴木大拙。
本書は、2020年に大拙の生誕150周年を記念し、臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺老師監修のもと、20代の頃より、大拙の思想研究一筋に打ち込んできた蓮沼直應氏が編纂に当たっっていらっしゃいます。

以前、致知出版社から『十万人が愛した言葉』が刊行され、その中に、鈴木大拙の「一歩一歩歩けば何でもないぞ。一歩一歩努力すれば、いつの間にか高いところでも上がっている」という言葉に大いに励まされた記憶がありました。

しかし、鈴木大拙の著書は読みたいと思いつつも、その難解さと自分の無知さから、なかなか手が出せないでいましたが、本書はその膨大な著作の中から一日一言という短い文章で366語録が精選され、親しみやすい名言も数多く収録されており、大拙の入門書としてもおすすめの一冊です。

中でも印象に残った一言をご紹介します。
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1月24日 ほんとうの祈り
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こういう願をかけたらその願が叶う、どうぞ叶えてくれというのはほんとうの祈りでない。
こういうのは宗教的の祈りではなくて、ただ世間の商売、取り引きというてよい。
ほんとうの祈りというものは、叶うても、叶わんでも、むしろ叶わんということを知りつつ、祈らずにおられんから祈るというのがほんとうの祈りで、祈るから叶うという、相手に、目的をおいて祈るのではほんとうの祈りではない。
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叶わないと分かっていても、一縷の望みをかけて祈らずにはいられない。
自分の力ではどうにも助けることができない。それでもどうにかして助けたい。
この絶望的な状況の中では、人智を越えた存在に祈るしかないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
そして、それが本当に奇跡的に、天に届いたと感じる瞬間、祈りの力の凄さを実感するのです。

逆に、祈っても祈っても、叶わなかった。そういうことの方が圧倒的に多いでしょう。
それでもまた同じような状況になったら、祈らずにはいられないのが人間だと思います。

この他にも、多くの珠玉の言葉に心を打たれ、勇気をもらえます。
秋の夜長に、是非お手に取ってみてはいかがでしょうか。

いよいよ秋も深まってまいりますが、秋空の美しい季節、皆様どうぞ健やかにお過ごしください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

タスキー税理士法人 公認会計士 青谷麻容子

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青谷 麻容子

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