第299回 進化思考/太刀川 英輔

皆さまこんにちは!タスキー株式会社の工藤でございます。
今回ご紹介するのは【進化思考 生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」】です。

この書籍は、著者であるデザイナーの太刀川英輔氏が生物の進化を参考にし、「変異と適応」を繰り返すことで、個々の創造性を引き出し、進化させ、新しいアイディアを生み出すための思考法(進化思考)について書かれた本です。
普段、自分の創造性と向き合う事や評価をする機会はあまりないとは思いますが、この本を読むことで創造性が一部の才能あふれる人だけのものではく、思考の幅を広げることで誰しもが持ちうる能力だという事に気づかされました。
今回は、この書籍の全512ページから各章の主要な部分をご紹介いたします。

序 章:創造とは何か
本書の序章では、著者が読者に問いかける形で始まります。「創造とはいったい何をすることなのか。その意味を、私たちは理解しているのか。」 辞書にある「新しいものを作り出すこと」の定義に疑問を呈し、創造の本質に関わる謎(美しさとは?発想の強度とは?関係をどう捉えるか?真に作るべきものとは?自然の方が想像がうまいのはなぜか?ヒトが創造する生物なのはなぜか?)について書かれています。

第一章:進化と思考の構造
進化と思考の構造に焦点を当て、「適応 (WHY):なぜ、そうあるべきなのか」と「変異 (HOW):どのように変化できるのか」という2つの要素を解説しています。この章では、生物も思考も変異と適応のループを繰り返すことで進化するメカニズムを詳しく紐解いています。

第二章:変異
この章では、「変量」「擬態」「欠失」「増殖」「転移」「交換」「分離」「逆転」「融合」の九つの変異パターンをエラーとして捉え、エラーを繰り返すことが進化に不可欠であるということが書かれています。例えば、「変量」では通常の量・サイズを極端な量・サイズに変量(超大きく・超小さく・超厚く・超薄く等々)した場合が取り上げられ、これらの九つのパターンは創造性を引き出す手法として有用であり、固定概念を壊すための重要な思考ツールとして提示されています。

第三章:適応
この章では、進化思考において提唱している概念である「時空観学習」と4つの要素、「解剖」「系統」「生態」「予測」について解説しています。例えば、「解剖」では、機能の存在を詳細に知るための徹底的な分析が求められ、対象の本質的な存在意義や仕組みを把握することで、モノがすでに備えている可能性に気づくことを促しています。

第四章:コンセプト
創造性の五原則「変異」「解剖」「系統」「生態」「予測」に本気で立ち返り、変異と適応の往復を通じて生まれる創造性の価値の重要性を説明しています。

終 章:創造性の進化
終章では、『人間中心からの卒業』が大きなテーマとなり、生物の生態系から学ぶ事、自身の創造性を進化させる事、自然のバランスを取り戻すための創造を行う事が提案されています。

新しいアイディアが必要な時、「よく調べることで新しい発想は生まれるだろう」とか「何でも良いからともかく思い付きを出そう」などと考え、それに終始することはないでしょうか。
「良く調べればおのずと発想は生まれる」というのは適応だけの思考に陥り、「ともかく思い付きを出す」というのは変異だけの思考に陥るため、片方の思考に陥るのではなく変異と適応を繰り返す(往復させる)ことが重要であると著者は提案しています。
新しいアイディアを生み出すための一つの手段として、進化思考を積極的に活用し、独自の視点から革新的な発想が生まれることを期待いたします!

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!
来年もどうぞよろしくお願い致します。

タスキー株式会社
業務改善支援室 工藤俊介

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工藤俊介

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