第374回 人生の短さについて 他2篇/セネカ (著)、中澤 務 (翻訳)

はじめまして、タスキー税理士法人の菊池友博です。
今回ご紹介する本はローマ帝国時代の哲学者セネカの「人生の短さについて」についてです。

私がタスキーグループにジョインするきっかけを与えてくれた本ですので、最初は是非この本を紹介したいと思います。

本書のメインメッセージは「人生は浪費すれば短いが、きちんと使えば長い。時間という一番貴重な資産を、自分のために正しく使わなければならない」というものです。

著書のセネカは、ローマ皇帝の政治ブレーンを務め、多くの富と名声を手に入れましたが、反面、皇帝のため・政治闘争のためなど、まさに他人のために多くの時間を費やした人生でもありました。(なお、その後セネカは皇帝に謀反を疑われ、服毒自殺という形でその生涯を閉じます。)
そんなセネカが自身の人生を教訓として教えてくれる、自分のために時間を使うことを大切さは、現代人の心にもグサグサと刺さってきます。

「お金など目に見える資産を浪費するのは惜しむのに、なぜ一番大事な資産である時間を浪費するのは気にもとめないのか。他人の人生を生きていないか。」
「不確実でコントロールしがたい未来に期待して、コントロール可能な今を無駄にしてはならない。●●歳になって引退したら好きなことをしよう、などと将来をあてにせず今を生きなければならない。」

こうしたメッセージは自分の人生をどう生きるか、を考えるうえで非常に参考になります。

なお「自分のために時間を使う」、とは自分勝手に生きる事を推奨しているわけではありません。
哲学者であるセネカは、最も尊い「自分の時間」の使い方は、過去の賢人たちの英知(哲学)に触れる時間であると説いています。
セネカにとっては哲学ですが、とにかく自分の人生を使うに足る時間の使い方を見つけなさい、という事だと私は解釈しています。(セネカさん、違ったらごめんなさい。)

私はこの本を始めて読んだ当時は30歳を過ぎ、このまま大手の監査法人でキャリアを積むか、自分のキャリアをどうしていくかを悶々と考えている時期でした。
この本を読み、「地域の経済を元気にする」という事に自分の時間を使おうと考えたのが、タスキーにジョインするきっかけとなりました。

約2千年前の偉人が生涯をかけて見つけた教訓を、手軽に読むことのできるというのは凄くありがたいことだと思います。
読むたびに色々な学びがある本ですので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

タスキー税理士法人 菊池友博

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菊池 友博

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