第442回 天才による凡人のための短歌教室/木下 龍也

こんにちは!タスキーグループ人事労務支援チームの佐藤みちるです。

朝晩の空気がぐっと涼しくなり、仙台もすっかり秋めいてきましたね。
秋といえば、食欲の秋、芸術の秋、読書の秋……。さまざまな「〇〇の秋」がありますが、皆さんはこの秋、どんなことをして過ごしたいでしょうか。

私は「今年こそ創作の秋にしてみたい!」と思い、歌人・木下龍也さんの『天才による凡人のための短歌教室』を手に取りました。
短歌といえば、五・七・五・七・七の31音。短い言葉のなかに情景や感情を詠み込むものですが、いざ自分でつくろうとすると、何をどう表現すればよいのか、案外難しいものです。

本書では、題材の見つけ方から言葉の選び方、推敲の方法まで、短歌をつくるための考え方が紹介されています。
なかでも興味深かったのは推敲編。寄せられた短歌を木下さんが推敲し、元歌と比べながら表現がどう変わるのかを解説しています。助詞を一つ替えたり、言葉の順番を入れ替えたりするだけで、情景や余韻が変わり、まるで言葉のマジックのようでした。完成した短歌を読むだけでは気づかなかった、言葉一つひとつに込められた意図や工夫を知ることができるのも、本書のおもしろさだと思います。

もう一つ心に残ったのが、「目を閉じて、よく見ろ。」というテーマです。
わたしは、短歌をつくるなら、まずは目に映る景色をよく観察してそれをうまく言葉にするのだろうと思っていました。しかし、ここで示されるのは、記憶のなかにある景色をもう一度見つめるという視点です。時間とともに曖昧になった部分もあれば、なぜか鮮明に覚えている部分もある。そうした記憶の余白に目を向ける発想が、私にはとても新鮮でした。

この本を読んで感じたのは、短歌の技術だけでなく、日常をおもしろがる視点も学べるということです。日常のありふれた風景や出来事でも、どこを切り取り、どう言葉にするかで見える景色が変わる。過去や記憶の捉え方ももっと自由にできる。短歌をつくらない人にとっても、毎日を少し違う角度から楽しめるきっかけになりそうだと感じました。

そういえば、当社では今年の夏季研修の締めくくりに「句会」を開きました。俳句と短歌は形式こそ異なりますが、限られた言葉で景色や思いを表すおもしろさは共通しています。次の機会には、今回学んだことも生かしたいと、ひそかにリベンジへの意欲を燃やしています。

本書は、短歌に興味がある方はもちろん、文章を書くことやものづくりが好きな方にもおすすめです。
いつもと同じ景色が少し違って見えてくる。そんな一冊とともに、秋を楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました!

タスキーグループ人事労務支援チーム 佐藤みちる

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