第244回 アート×テクノロジーの時代/宮津大輔

こんにちは!
タスキー税理士法人の佐藤美友です。
気づけば2月、年度末に向けて慌ただしく過ごしている方も多いことと存じます。
完全にスイッチオフ…は難しい。そんなときは、いつもと少し違う本を手に取ってみるのはいかがでしょうか?
今回ご紹介しますのは、こちらの1冊です。

「アート×テクノロジーの時代」 著・宮津 大輔

アートコレクターである宮津氏は、広告代理店、上場企業の広報・人事管理職を経て大学教授に転身。
横浜美術大学第三代学長として改革を推進し、コロナ禍におけるV字回復を達成した人物です。

私自身の話になりますが、少し前に美術館の展示を見に行った際、とても惹かれた抽象絵画がありました。
解説の没年を見て、もうこれから新しい作品が発表されることはないのか…と少しばかりの落胆を感じつつも、「私が生きている間、誕生に立ち会えるアート」というものについて考える機会を与えられたように思います。
現代のアートって、何だろうか?

本書では、世界中から注目されるアート作品を生み出す企業として、チームラボ、タクラム、ライゾマティクス、ザ・ユージーンの4社が、代表的な作品やプロジェクトと合わせて紹介されています。
こうした新世代の企業は、日本独自の思想と最先端技術を融合させて新しい価値観を世に問うているのだと、作者は述べています。
なぜ個人ではなく企業なのか。
そのクリエイティブな発想と高い技術力の源泉はどこにあるのか。
独自の組織体制、規定、評価制度による経営などの解説も交えつつ、企業により生み出されるアートについて語られています。
そして、フルカラーで掲載されている作品の数々!ページをめくる速度が遅くなるのは仕方がないことです。
QRコードも載っているので、躍動するアートを楽しむことができます。

印象に残っているのは「作品は常にアップ・デートされる」という言葉です。
通常アートの世界では、過去作品への描き足しは「非」、修復専門家による措置は、常に現状維持を基本とした慎重なものでした。
ところが、デジタル作品の場合には技術の進歩に伴い、作品も進化していくのが運命である、と。

ここ数年で、我々がアート×テクノロジーに触れる機会は、格段に増えたように思います。
特にプロジェクションマッピングは、とても身近な存在になりました。
本書で紹介されている株式会社ライゾマティクスは、2013年6月21日、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルにおいてPerfumeのステージコスチュームを担当。
彼女たちの「世界中どこにいても、ファンとはライブ空間でつながることができる」という思いを先端技術の活用により実現し、パフォーマンスを支えました。
また、同社の作品においては、羽生結弦発プロデュースの単独公演「プロローグ」が記憶に新しいかもしれません。
美術館で立ち止まって見るアートとは少し違う、思ったよりも身近に存在する現代アートは、私たちの生活を彩り続けています。

「現代アート」や「IT≒先端技術」は難しい、という先入観は、早々に取っ払っておいた方がいい。
なぜなら、きっとこれからもたくさんの素敵なものが生み出されるし、私たちはそれに立ち会うことができる。
そんなワクワクを生み出してくれる1冊です。


タスキー税理士法人
佐藤 美友

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