第298回 仕事は自分ひとりでやらない/小田木朝子

こんにちは!
タスキー税理士法人の佐藤美友です。
今年は主張が控えめ…?と思っていた矢先、ここ数日で思い出したかのように冬が猛威を振るい始めました。
寒気いよいよ厳しき折、皆様どうかご自愛くださいませ。

さて、今回ご紹介させていただきますのは、鮮やかな表紙に目を奪われる「ヘルプシーキング」の教科書です。

「仕事は自分ひとりでやらない」 著・小田木 朝子

この本を手に取ったきっかけですが、私が前回担当した第283回の電帳法とインボイスに関する本を探していた頃に遡ります。
導入前からインボイスの対応に追われ、10月1日の運用開始を間近に不安や慌ただしさを隠せないバックオフィス。
経理業務に関わる人たちは、果たして今のままの働き方ですべてを補えるのだろうか?という疑問を抱えていたとき、この黄色い一冊が目に入りました。

ヘルプシーキングとは、Help(助け)、Seeking(探す)という意味で、ひとりで抱え込まず、周囲に助けを求めるスキルを指す言葉です。
本書では、困ったときに適切に助けを求めることはもちろん、ひとりで何とかする以上の成果を周囲と連携して上げる考え方と技術を、「ヘルプシーキング」というビジネススキルと定義する、としています。


<『周りに助けを求める』ことが苦手な人の共通点>

1.思い込みによる心理的ハードル
 相手に迷惑をかけてしまう、相手も忙しい、みんな苦労している、と「思い込む」。
2.自分でやった方が早い症候群
 業務の属人化、ブラックボックス化、依頼する方が時間がかかる、説明ができない…etc.
3.甘い予測と判断の遅れ
 何か問題の予兆が見えても「予定通り自分でできるだろう」と楽観的に考えてしまう。
4.自分の仕事か、自分以外の仕事かで考える
 自分の仕事は自分さえ分かっていればいいと考え、自分の状況を誰かと共有しなくなる傾向に。
5.困っていることが説明できない
 「助けてほしい」と思っても、何に困っているか、どうしてほしいかが説明できない。
 
上記の5つの共通点、バックオフィス改善の業務の中で、似たようなお悩みを聞く機会が数多くありました。
恥ずかしながら、私自身も未だに思い当たる節があります。
変わることへの抵抗の大半は「思い込み」によるもの。
それまでやれていたという実績があればなおさら、手放すことは難しいものです。
今ある当たり前を見直して上書きしていくことが、改善への第一歩なのだと、身に染みて感じています。


<助け合いながら成果を上げるチームづくり>

チームでヘルプシーキングを実践するためのポイントは、「【Being】を定義し、【Doing】を描く」ことにあります。
 【Being】“望ましい状態”を定義すること
 【Doing】Being実現の“具体的な行動”を描くこと
チームで解決すべき課題(困りごと)を具体的な言葉にすることで「望ましい状態(=Being)」を定義し、その定義されたBeingから「具体的な行動(=Doing)」を考えるプロセスをイメージしていく。…つまるところ、課題を行動に落とし込んでいくということです。
「困りごと」も「望ましい状態」も、ミーティングで仲間と揉みながら精度を上げればいい、大事なのは「何らかの言葉になっていること」であると、筆者は述べています。


今回はスタートとゴールにあたる部分の一部をご紹介させていただきました。
始め方、テクニック、上手に仲間を助ける方法など、挙げたいテーマは他にもあるのですが、詳しくは是非お手に取って読んでみてください。
頼ることが苦手だと感じている方には特におすすめです。
タイトルに「仕事」と入っていますが、根底は公私を問いません。

結びに、筆者の言葉をお借りして。
―もしも、「助けを求める」という言葉に抵抗があるならば、「仲間を頼る」という言葉に置き換えてください。
「助けを求める」ことは甘えではなく、相互信頼のうえに成り立つ「適切な頼り合い」です。「仲間のためにこそ、ひとりで抱えない」という考え方に“上書き”しましょう。―

最後までお付き合いいただきありがとうございました!

タスキー税理士法人
佐藤 美友

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